授業科目

博物館教育論
Theory of Museum Education

担当者

講師   内舩 俊樹
後 時間外

単位

2

到達目標

 受講生が博物館における教育活動の基盤となる理論、実践、法的根拠などに関する知識を習得し、様々な博物館の教育活動の事例研究を通じて、現代の博物館教育について実践し考える力を身につける。

授業内容

 博物館教育の核は資料の展示であるが、この授業では博物館資料論や博物館展示論等の講義内容との重複を極力避けるため、資料や展示に限定せず広く教育活動を扱う。また、博物館教育は社会や市民意識の変化、情報伝達手法の発達・拡大によって、その表現形は多様化しており、地域博物館の豊富な事例を扱う。

授業計画

 全7回(14時限分)の講義内容は次のように予定している。尚、演習などに合わせ内容が前後することがあるが、授業内で指示する。
 予習として、夏季休暇中に博物館や美術館などの展示を見学し、実施されている教育プログラムを見学もしくは参加した上で授業に臨んでほしい。その際には、自分が見学施設の職員であれば何ができるか、どうしたいかを考えながら見学・参加することを望む。

01.ガイダンス/展示と博物館教育ほか
 シラバスの記載事項について確認した上で、博物館を通して行われる教育の理念、特色、今日的意義を考える。
 博物館の顔であり、博物館独自の教育活動である「展示」を通して行われる教育について考える。【予習】事前に見学した博物館等の展示について、特徴や共通点について整理しておく。

02.展示と博物館資料、教育プログラム
 地域博物館を例に、社会の変化が博物館教育活動にどのような影響を与え、どう応えてきたかを紹介する。
 資料を介したメッセージの伝達をより効果的に行うために開発する、二次資料や教材などなどを紹介し、それらの有効利用について考える。【予習】事前に見学した博物館等の配布資料を見返しておく。
 独自の資料、教材、施設を駆使した博物館の教育プログラムでいかに多様な学習体験が可能であるか、多くの事例を紹介するとともに、今後の可能性を考える。

03.子供向けプログラム、地域と博物館
 次の社会を担う子供たちに対し、子供向けの楽しく学べる体験学習プログラムを考える。
 社会教育施設としての博物館の役割を、教育活動を中心としたさまざまな事例を通して考える。【予習】地域の博物館の展示や教育プログラムについて、国や都道府県の大型館と比べた特徴についてまとめておく。

04.展示や教育プログラムの演習、地域振興・観光行政への博物館の貢献など
 地域博物館へ赴き、実際の展示や教育プログラムを学芸員・学習者の立場から検証する。
 地域活性化の担い手として、また観光資源として、地域や行政に対する博物館の新たな役割を最近の事例を通して考える。

05.地域と博物館の演習、学校教育・行政・市民との連携
 地域博物館とその周辺施設へ赴き、社会教育施設としての博物館が周辺施設や市民とどのような連携がとれるか検証する。
 博学連携という直接的な役割だけでなく、博物館を通じた地域社会と学校教育との接点としての役割についても、様々な事例を通じて考える。
 地域の自然環境や文化遺産をその立地において保全し公開するエコミュージアムのような、地域そのものを博物館に見立てた活動に対する、地域・行政が連携した取り組みの事例を通じて、博物館が果たす役割を考える。

06.資料と情報、博物館の連携/小テスト
 大量の資料とそこから得られる膨大な情報をいかに整理し、どのように公開しているか。各館の印刷物やホームページなどの事例を通じ、公開の在り方を考える。
 大量の資料と情報に対する活動をいかに教育に結びつけるか、市民協働などの事例を通じて考える。
 地域内や隣接地域間だけでなく、広域的な博物館同士の連携が広がり、深まっている事例を紹介し、連携のあり方を考える。
 ここまでの内容について小テスト(60分)を実施する。

07.小テスト解説/これからの博物館教育
 前回の小テスト内容についての解説を行うとともに、前回までに課したグループワークやレポートの課題について振り返る。
 博物館ボランティアや後継者の養成など、次世代を見据えた「これからの博物館学芸員」の役割を再考し、今後の博物館教育を展望する。

授業運営

 授業は2時限ずつ行い、2回(予定)の地域博物館での演習のほかは学内で講義を行う。講義ではとくに教科書を指定せず、毎回配布する資料に沿って博物館教育活動の基盤について説明する一方、グループ内の意見交換を通じて自ら考える機会も設ける。予習・復習に関するレポートがある場合は、授業内で指示する。

評価方法

 授業中のコメントシートと数回の課題レポート、さらに記述式試験によって評価する。評価基準としては自分の意見を論理的に述べていることを前提に、記述の正確さ、視点の独自性などによって評価する。コメントシートとレポート各40%、記述式試験20%とする。

オフィスアワー

 質疑などは授業終了後にその場で受け付ける。

参考書

寺島洋子・大高 幸『博物館教育論』[財団法人放送大学教育振興会(放送大学教材)]2012
小笠原喜康・並木美砂子・矢島國男(編)『博物館教育論』[株式会社ぎょうせい]2012

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