授業科目

地域の自然史
Natural History of Our Local Area

担当者

教授   金沢 謙一
後 月4
講師   笠間 友博
後 月4
講師   佐藤 武宏
後 月4
講師   田中 徳久
後 月4
講師   新井田 秀一
後 月4
講師   広谷 浩子
後 月4

単位

2

到達目標

 本学の教育理念に照らし、受講者がこの講義を通じて、(1)自然を理解する上で必要な自然史・生態学的な基礎知識を身につけること、(2)神奈川県における地形・地史・火山・陸上動物・水生動物・植物などの基本的な自然を理解すること、(3)神奈川県における人間と自然との関わりや都市化などの問題点を理解すること、(4)地域の自然史を理解した後にそれらをどのように後世に伝えるかを考えること、を到達目標とする。

授業内容

 この講義では、神奈川県を中心とした地域の自然史、すなわち、高校までの科目では地学(地形、地質)、生物(植物、動物)、理科総合・科学と人間生活(都市問題・防災・環境)に相当する部分を扱う。地学分野の分析科学や生物分野の分子科学など、実験科学的領域は取り扱わず、いわゆるフィールドサイエンスとよばれる分野を扱う。概要的なことよりも、具体例を紹介して、地域の自然に対する理解を深めることに努めたい。

授業計画

 講義内容は次のように予定している。
1.ガイダンスおよび自然史概論(1回)
2.地形に関する講義(2回)
3.地質に関する講義(2回)
4.陸上脊椎動物に関する講義(3回)
5.植物に関する講義(3回)
6.水生無脊椎動物に関する講義(3回)
 複数の講師が担当する関係上、2〜6の各論については、それぞれの順番が変更になる可能性がある。ただし、各論それぞれの2〜3回の講義については連続して行う。どの順番で講義を行うかについては、初日のガイダンスの際に説明した上で、ドットキャンパス上で通知する予定である。
 各回の内容は以下のとおりであるが、時間の関係で若干進行が前後することもある。毎回、授業内容を確認して、インターネットなどを積極的に活用して情報収集を行い、1時間程度予習すること。授業後は講義と配布資料の内容を1時間程度は復習し、今日的な問題について広く理解を深めるようにする。
1.ガイダンスおよび自然史概論
 自然史とはどのような学問か、どのような歴史を経て発展してきたのかを俯瞰する。
2.地形に関する講義
(1)地図をどのように読むかを学ぶ。また、地図から神奈川の地形をどのように読み取るかを学ぶ。
(2)地形から地史を知る。日本の大地の生い立ち、神奈川の大地の生い立ちを、地図を通して読み取る。
3.地質
(1)神奈川の地質のあらましを学ぶ。火山噴火のしくみと、火山噴出物の特徴を学ぶ。海水準変動を読み解き、そこからどういうことが解るかを考える。
(2)地球の気候変動とその周期性について学ぶ。火山、地震、津波といった、わたしたちの日常を取り巻く災害と、その災害に対してどのように対応すべきかを知る。
4.陸上脊椎動物
(1)神奈川の地形と陸上脊椎動物の分布を学ぶ。神奈川の自然の特徴を学び、身近な場所にいる身近な哺乳類を知る。神奈川の自然を特徴づける里山について学び、なぜ里山が注目されるのかを考える。里山の哺乳類の現状を考える。
(2)神奈川の自然を特徴づけるもう一つの環境、奥山について学び、奥山の哺乳類を知る。里山と奥山の環境を比較し、それぞれの環境にすむ哺乳類の生活について考える。
(3)奥山の哺乳類の現状を考える。神奈川の哺乳類の分布を決める要因が何であるかを考える。レッドデータ生物調査について学び、レッドデータ生物の現状を知り、危機的状況にある動物の将来を考える。
5.植物
(1)神奈川県の植物相研究について、その研究史を振り返る。固有種について知る。神奈川県の植物分布を特徴づけるフォッサマグナ要素について学ぶ。レッドデータ植物について学ぶ。帰化植物と帰化率について理解する。
(2)神奈川県の植生研究について、その研究史を振り返る。植生研究において重要な、遷移と極相、植生帯、気候的極相、土地的極相を学ぶ。また、遷移途上の植物群落の特徴について学ぶ。神奈川の植物群落の抱える問題点を理解し、将来について考える。
(3)植物標本からどのようなことが解るのかを考える。また、それを通じて、生物の多様性、地域の自然の重要性について考察する。
6.水生無脊椎動物
(1)水生無脊椎動物とはどのような動物なのか、その種類、種数、特徴について知る。神奈川の海の特徴を学ぶ。海の無脊椎動物に関する研究史を振り返る。
(2)海を環境によって区分し、その環境ごとの構造、特徴について学ぶ。平面的な広がり、水深による広がりを理解する。潮汐の発生するメカニズムを学び、潮汐が生物に与える影響を考える。
(3)水生無脊椎動物を調査する方法を知り、その特性を理解する。水生無脊椎動物の分布にどのような特徴が見られるかを理解し、その要因を考える。水生無脊椎動物に見られる外来種問題、特に非意図的移入やバラスト水問題について理解し、将来どのようにすべきかを考える。

授業運営

 すべて講義形式で実施する。基本的にはパワーポイントを利用したスライド映写および必要に応じてプリントを配布し、板書を併用して解説する。担当者が必要と判断した場合には、資料をドットキャンパスに掲載することも予定している。プリントを配布すると、そのプリントをファイルするだけで充分と判断する受講生も見かけるが、講義をよく聴き、自分なりに考えたこと、疑問に感じたこと、ポイントとなるキーワードなどを積極的にメモすることが理解の重要な手助けになるので心に留めておいてほしい。

評価方法

 期末試験の成績による。試験範囲は広範囲で問題数も多いため、ノート、プリント等の持ち込みを認める。選択問題に関しては、正答/誤答によって機械的に配点する。文章による回答を求める問題に関しては、正答であっても、極端に冗長な表現や文章の不足、誤字、脱字、不適切な表現などを減点する。

オフィスアワー

 複数の講師が担当するため、質問や指摘については随時教室で、または講義後に受け付ける。

参考書

必要に応じて講義の中で紹介する。

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