授業科目

基礎生物学
Intoroduction to Biology 

担当者

講師   吉田 修久
後 水4/土1

単位

2

到達目標

本講義のねらいは、受講生が理学部・経営学部の教養教育のカリキュラムポリシーに従い、将来にわたりこの社会をより良く生き、また良き社会を支えるために必要な一般教養を、生物学=生命科学の学びを通じて身につけることである。
今の社会は急速な生命科学の進歩に伴い、遺伝子診断、生殖補助医療、脳死など、生と死にまつわる問題、また環境にまつわる問題など、生物学的な知見をもとに一人一人が自分の事として考えなければならない問題が山積している。
そのため、この講義の具体的な到達目標は、受講生が①複雑で高次な物質系である生命現象の世界を、統一的に知り、また②生物としてのヒト(自分)そのものを理解し、健康に生きる知識、考え方を学び、③生物学=生命科学の技術的利用によって生じたさまざまな「命」に関わる諸問題に対して、冷静かつ科学的判断ができる力を身につけることである。
なお、基礎生物学Ⅰ・Ⅱを通して、前述した目標が設定されているので、Ⅰ・Ⅱは連続して受講することが望ましい。

授業内容

基礎生物学Ⅰでは生命現象を分子から細胞・個体のレベルで学ぶが、基礎生物学Ⅱではそれを発展させて、個体から集団のレベルでとらえる。生命の連続性・集団と生活など時間・空間の広がりの中で生物をとらえ、多様な生物世界の理解を深めたい。
 また、私たちを取り巻く様々な生命倫理の問題、生殖補助医療や環境についても考える。毎回必要な資料を配布する。課題レポートや質問を多用した双方向授業でさまざまな問題を考えてもらう。

授業計画

 各回の講義内容は次のように予定しているが、時間の関係で若干前後する場合もある。毎回、次回の講義のプリントを配布するので、それを読んで分からない単語や、考える質問項目をしっかりと予習すること。復習としては、講義で示された問題点などを自分自身に当てはめて考えることや、紹介する参考図書などを積極的に読んでほしい。また、実際の自然、生きものを改めて観察し、触れることも大切である。予習・復習としては各回あたり約4時間の自己学習を想定している。さまざまな問題に関しての友人との討論などはこの限りではないが、より意欲的にやってほしい。その部分こそ真の学びにつながるところである。



1 導入:自然科学と生物学
2 生命の連続性 有性生殖と無性生殖
3 減数分裂と配偶子形成
4 受精と個体の発生   
     ・「発生」の最後に生殖補助医療などの問題を扱いレポートを課す。それに関連した参考図書を紹介するので読んでほしい。
     ・また、発生初期の「命」の問題について小レポートを課すので、講義後の復習として自分なりの考えを書いてほしい。
5 遺伝子と発生のしくみ
6 生殖・発生・遺伝に関る諸問題 生殖補助医療 出生前診断 デザイナーベービー
7 植物体のしくみと環境
8 生物の環境と多様性
9 生態系と物質循環 里山とは
10 環境に関する諸問題
     ・環境問題を学んだ後に、私たちの生活の「豊かさ」について小レポートを課す。自分なりにしっかり考えてほしい。
     ・「ヒト」にまつわる参考図書を紹介するので、それらを講義と並行して読んでほしい。
11 動物行動学から見たヒト① ヒトの進化とその特徴
12 動物行動学から見たヒト② 言葉・道具・心
13 動物行動学から見たヒト③ ヒトとは何か
14 生物学と社会

授業運営

 毎回プリントをもとにした講義であるが、実物・標本などの観察も入れる。質問を多用した双方向の授業を展開する。また、諸問題部分では、そのテーマに沿ったディスカッションやレポート提出もある。学生諸君の積極的な取り組みを期待する。

評価方法

 適宜行うレポート提出、そして最後の定期試験の結果、欠席状況などから総合的に評価する。概ね定期試験を60%、レポートで40%である。定期試験は基礎知識を問う問題と、各自の科学的に考える力を問う論述問題などである。レポートの評価基準としては、出題の意図を正しく捉え、論理的に自らの意見を述べているかを基本とし、論じている視点の多様さ、説得力などで加点していく。

オフィスアワー

 質問、相談は講義後に随時受け付ける。

使用書

特になし。各回、講義資料を配布する

参考書

岩間輝生 他『ちくま科学評論選』初版第一刷[筑摩書房]2018年
高校生向けの図書。科学にまつわるさまざまな評論の抜粋を紹介している。

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