授業科目

基礎動物学
Basic Zoology

担当者

准教授 豊泉 龍児
後 水2

単位

2

到達目標

履修生諸君が以下の各項目を理解し、理学部生物科学科の大学1年次生として適切な文章で論述できることを到達目標とする。
① 全生物の中で、後生動物の分類学的な位置や特徴を理解する。
② 後生動物の進化について理解する。
③ 後生動物の高次分類を、最新のデータをもとにした分類学の立場から理解する。
④ 種固有のゲノムが後生動物の進化の理解と高次分類の手掛かりになることを理解する。
本科目は、理学部生物科学科のカリキュラムポリシーに従って構築された生物科学科教育課程表のうち、B群専攻科目に属する。従って、標準履修年次が1年次生向けのA群科目である生物学概論I・II, 特に生物学概論IIの授業内容をよく理解した上で受講して欲しい。

授業内容

履修生が、多細胞動物の多岐にわたる生命維持のための構造と機能、環境への適応戦略や生態について、動物の高次分類をもとに知識を整理してその概要を学び、地球上の生命の豊穣さを理解することを目的とする。動物の様々なボディプランの多様性の中に潜む共通性や基本法則についても学修する。高次分類群の理解には、近年進展の著しいゲノム科学的アプローチが欠かせないので、これについても随所で触れる。

授業計画

各回の授業が実施される週の月曜日の昼休みまでにドットキャンパスのシステムにて、予習用の資料を配付する。これをダウンロードして予め目を通した上で毎回の授業に臨んで欲しい。初回は紙媒体の資料配付を行う。
 復習は配付資料と自筆のノートをもとに行い、各項目について自分なりの理解を文章や図表の形で整理して履修を深めること。配付資料への書き込みだけでは済ませないこと。図書館の関連資料、特に以下の授業計画に関連した入門書を、受講生は、特に高等学校で「基礎生物」や「生物」を未履修の受講生は、活用して欲しい。また、生物学概論I, IIでの配付資料を折りに触れて活用して予習復習に役立てて欲しい。
 各回の授業にあたり、予習と復習の合計4時間の自己学習を想定しているが、各回の授業内容の様態に合わせて(宿題が出るか否かなど)、予習と復習の比率については、履修生が各自で判断して欲しい。

1. 動物とは何か(1) 動物分類学の基礎的な考え方。分岐図と系統樹。初回には、シラバスの記載事項の確認も行う。 [予習] 系統樹について。
2. 動物とは何か(2) 生物の定義を考える。多細胞体制の利点を考える。 [予習] 多細胞体制について。
3. 動物とは何か(3) 塩基配列を手がかりに生物の分類を考える。動物の定義を考える。 [予習] 動物の定義について。
4. 動物の分類と進化、その起源(1) 3ドメイン説、五界説の中での動物の位置づけ。 [予習] 3ドメイン説、五界説について。
5. 動物の分類と進化、その起源(2) ハテナとよばれる原生生物。襟鞭毛虫とそのゲノム。 [予習] 襟鞭毛虫について。
6. 動物の分類と進化、その起源(3) 後生動物とは何か。海綿動物。真正後生動物。 [予習] 海綿動物について。
7. 動物の分類と進化、その起源(4) 板形動物。刺胞動物と有櫛動物。前口動物と後口動物の比較対照。 [予習] 刺胞動物、有櫛動物について。
8. 動物の分類と進化、その起源(5) 冠輪動物と脱皮動物。 [予習] 冠輪動物、脱皮動物の定義について。
9. 動物の分類と進化、その起源(6) ゲノムから動物の系統発生を考える。 [予習] ゲノムの定義について。
10 . 動物の分類と進化、その起源(7) オルソログとパラログ。塩基配列決定法。 [予習] 塩基配列決定技術について。
11. 後口動物に属する動物群。後口動物のゲノムと高次分類。 [予習] 後口動物の分類について。
12. 尾索動物の分類と生態、発生。 [予習] ホヤの体制、生活環について。
13. 頭索動物の分類と生態、発生。 [予習] ナメクジウオの体制、生活環について。
14. 脊椎動物としてのヒトのゲノム。 [予習] ヒトゲノムについて。

授業運営

授業中に5分程度の小テストを出題することがある。その解答・講評のプロセスを通じて理解を掘り下げることを狙う。

ドットキャンパスのお知らせ機能で、授業に関する連絡を行うことがある。極力、毎週の授業前にアクセスして欲しい。
宿題は返却しないことがあるので、コピーを取ってから提出することが望ましい。

臨海実習の履修を希望する学生は、この講義を受講することが望ましい。

評価方法

定期試験の成績を70%、宿題の提出状況とその内容を30%の割合として評価する。
宿題は、講義の内容に密接に関連したものを、講義中に提示する(1点あたり20-40分程度の文献調査を要する宿題)。
宿題の内容は、定期試験の範囲とするので、評価の割合にかかわらず、気張って取り組んで欲しい。
宿題の提出内容については、授業中に講評を行うことがある。宿題の表紙に提出の締切日を明記する。その締切日を過ぎた宿題は採点対象外とする。

オフィスアワー

質問は、担当者の他の授業や会議等に支障がない場合に、原則として講義直後と各回の講義日の昼休みに受け付ける。
前者の場合には授業講堂にて、後者の場合には2号館244号室の豊泉教員室にて対応する。
漠然とした質問ではなく、何を尋ねたいのか質問項目をよく整理してから質問に来て欲しい。

参考書

レーヴン・ジョンソン、ロソス・シンガー共著『『レーヴン・ジョンソン生物学』』原書第7版[培風館]2006年

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