授業科目

特別実習
Optional Practice in Physics

担当者

講師   大宮 正士
後 集中
講師   平野 照幸
後 集中

単位

1

到達目標

本講義の到達目標は、受講生が、天体観測実習およびデータ解析実習にて天文学・天体物理学研究の具体的な手法を学ぶことを通じて、天体とその観測に関する基本的な知識と観測実験研究における応用力を身につけることである。
また、初歩的な観測天文学研究の一端に触れることにより、観測天体の情報や物理的性質が天体観測によってどのように得られるのかを理解することも目標の一つである。
理学部のカリキュラムポリシーに従い、天文学の最前線の理解を持続的に可能とするための専門的知識や思考力を身につけるために、観測天文学における研究手法である観測の計画立案から天体の物理量導出までの一通りを自ら考えながら取り組めるように授業を構成している。本講義の基礎となる知識の習得のために、天文学概論を受講していることが望ましい。

授業内容

湘南ひらつかキャンパス内に設置されている天文観測施設を用いて天体観測実習を行う。本実習では直感的にわかりやすい可視光での観測を通じ、天文学の学術研究における天体観測やデータ解析、論理的考察などの研究手法の理解を目的とする。
すばる望遠鏡などの巨大望遠鏡を用いた観測も規模が違うだけで基本的に同じ手法であるため、本実習を通じて基礎を身につけ、自ら考えることによって、観測的天文学研究を行う上での基本的な手法の修得を目指す。

授業計画

観測する天体や観測原理、データ解析の流れを理解するために教室で講義を行い、湘南ひらつかキャンパス内の天文台で日の入り後の夜間に観測実習を行う。本講義では可視光で観測を行うため、太陽が出ていない夜間しか観測ができない。 観測天体については基本的に講師が選定するが、強い希望があれば別途対応する。 また、悪天候によって観測が難しい場合も考えられるので、他の天文台で取得されたデータの解析を進めるなど、天候に合わせて適宜講義スケジュールを変更しながら進める予定である。 晴れて観測ができれば自らの観測で得られた観測データを、曇って観測ができなければ事前に大口径望遠鏡で取得してあるデータを解析し、結果の解釈・議論を通じてレポートにまとめる。
本講義では、天文学の研究手法である、観測計画立案、天体情報の調査、観測、データ解析、天体の物理量導出までを一通り実践する。講義の予習としては、⑴事前にdotCampusにて配布した資料を読んで、⑵わからない用語を調べておく、⑶疑問点を挙げておくことが望ましい。また、⑷参考書にあげた本を学習し天体観測の手順をノートにまとめておくとよい。復習としては、授業中にまとめた情報を整理し、正確な情報を得られているかを参考図書やwebページなどを参考に確認して、レポート課題作成に必要な情報をまとめておくことが望ましい。また、講義で得た知識と講義中に議論した内容を踏まえて、予習でまとめた天体観測手順を修正しておくと良い。

1.可視光天体観測概論(1)天体から放射される光
2.可視光天体観測概論(2)観測装置の原理
3.可視光天体観測概論(3)観測データ概説
4.可視光天体観測概論(4)データ解析概説
5.可視光天体観測概論(5)SHC天文台施設の概説
6.観測計画立案
7.天体観測実習 (1)眼視観測(目を使った観察)
8.天体観測実習 (2)CCD観測(CCDカメラによる天体データの取得)
9.データ解析実習(1)解析ツールの使い方
10.データ解析実習(2)データの整理・一次処理
11.データ解析実習(3)測光解析・較正
12.結果の解釈と議論
13.レポート作成、考察の内容について
14.結果報告会

授業運営

集中講義として、三日間の合宿形式で行う。本講義の定員と日程については事前に別途案内する。
講義は教室でプロジェクターに写したスライドを用いて進める。観測実習は湘南ひらつかキャンパス構内の天文台で行い、
データ解析実習は教室にてPCを用いて各自行う。
本講義では事前に配布される資料の情報を基に実習を進めるので、配布された資料を事前によく読んでおくこと。
屋外に設置されている天文台で夜間に実習を行うため、その季節にあった服装、または、装備を準備をしてくること。
また、事前に物理学実験IIと天文学概論を修得しておくことを強く推奨する。

評価方法

実習中の議論と取り組む姿勢(40%)、レポート(60%)で評価する。
実習参加者との議論の内容や結果報告会での発表における考察によって評価する。
実習中に、積極的に参加する姿勢や、特筆すべき貢献・成果があった場合にも加算する。
レポートの評価基準は、記述内容の正確さだけでなく、レポートに積極的に取り組む姿勢が見られた場合や、興味深い議論がされた場合などにも加点する。
講義・実習への参加が半分に満たない場合は基本的に成績評価対象外とする。

オフィスアワー

質問や相談等は、講義期間中はその場で、それ以外はメールにて受け付ける。
講義期間中にその場で質問してもらうのが望ましい。
事前の準備や持ち物でわからないことがある場合でも遠慮なくメール等で問い合わせること。
メールの宛先:omiya.masashi@nao.ac.jp(大宮 正士)

参考書

日本変光星研究会編『天体観測の教科書 変光星観測』[誠文堂新光社]
家正則ほか『シリーズ現代の天文学15「宇宙の観測I―光・赤外天文学」』[日本評論社]
実習の2週間前くらいまでに資料をdotCampusにて配付する。

Copyright© 2017 Kanagawa University. All Rights Reserved.