授業科目

集合論
Set Theory

担当者

教授   阿部 吉弘
後 月1

単位

2

到達目標

次の項目を最低限の到達目標とする。
(1)集合論で使用される記号を正しく使える。
(2)無限集合の濃度を理解する。
(3)実数の成り立ちを理解する。
(4)整列集合や選択公理といった、無限に関する概念になじむ。
(5)基本的な事実の証明ができる。

授業内容

数学的概念は集合を使って記述される。そこで、集合論の基礎的な知識に関して講義する。
まず、集合論で使用される記号と集合演算に親しむ。
無限集合の理論においては、濃度による大きさの比較が重要である。可算集合と非可算集合の別を学ぶ。
濃度と並び大切な概念として、順序型がある。順序集合、特に整列集合について詳しく学ぶ。その中で、整列可能性定理と関連する選択公理、その数学への影響について述べる。
最後に、実数の濃度に関する連続体仮説の決着の歴史でしめくくる。

授業計画

授業以外の学習に要する時間は人それぞれである。

<復習に関して>
授業で新たな「定理」が出てきたならば、その証明の理解に努める。また、授業を受けた当日に、授業中に提示された練習問題を解答する。

授業を聞いただけで理解してしまう極少数の学生は、当然必要ない。
授業中に分からない点が少しあり、なんとか次回までに理解に達する少数の学生は、それで十分である。
授業中に不明な点がかなりあり、全部は次回までにわからないという多くの学生は、生活と健康に影響を及ぼさない範囲で、理解に達するよう気長に時間をかけて勤めるべきである。
少数ながら、授業が殆ど分からない学生も毎年いるが、悲観することはない。わかることを少しずつ増やしながら、焦らず勉強を続ければよい。

「数学は積み重ね」というのは正しいが、理解に至る道は積み重ねではない。大事なのは、学んでいる理論の流れを見失わないことである。1回の授業単位でも、学期全体を通しても、補題・定理・系の内容と、それらがどのように繋がっているのかだけは掴むようにする。証明は後からわかればよいし、わからなくても先に進める。だいぶ経ってから、定理や定義の意味が感得され、証明もわかることだって多いのだ。
数学と付き合っている限り、問題=わからないことを考えつづけている点で、学生と教員の違いはない。授業が簡単すぎる学生も、難しすぎる学生も、勉強を続けることが何より大切である。

<予習に関して>
「次回の内容」として指示された概念を調べておく程度でよい。
授業を聞いて分かってしまった学生は、上記「授業内容」の記述に沿って、適当なテキストで先に進んでください。

初回講義時にシラバスの記載事項について確認する。

第1回:論理記号と論理式、真理値、集合の表し方
第2回:集合演算と有限集合の要素の個数:分配則、ド・モルガンの性質他
第3回:集合族、冪集合
第4回:有理数と実数
第5回:関数、単射、全射、全単射、逆関数
第6回:無限集合の濃度、可算集合と非可算集合、対角線論法と冪集合の濃度
第7回:中間試験と解説
第8回:関係と同値類
第9回:順序集合、整列集合と帰納法
第10回:整列集合の同型定理
第11回:選択公理とツォルンの補題、整列可能性定理
第12回:選択公理と数学
第13回:中間試験と解説
第14回:連続体仮説

授業運営

講義形式で、内容の半分程は証明になる。
試験の問題も同様である。
自分で証明をフォローし、再構成できるように努めることが大切である。時間をかけて復習してください。
授業中に問題を考えてもらうことがあるが、学生間での討論を期待する。
予習は特に必要ありません。

評価方法

中間試験(2回)と期末試験を同等の割合で総合して評価する。

オフィスアワー

月曜日の13:00~13:30。13-209室に来てください。
他の時間帯も都合がつけられるかもしれませんので、メイル等で相談してください。

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