授業科目

化学史
History of Chemistry

担当者

教授   菅原 正
後 金1
講師   山本 勇
後 金1

単位

2

到達目標

カリキュラム・ポリシー:化学科のカリキュラム・ポリシーに従いノーベル化学賞の研究課題を通し化学の進歩を学ぶ。さらに化学産業から生命現象までの化学の役割について学ぶ。

菅原 正講師:講義の前半4回に関しては、1901年以降のノーベル化学賞を受賞した研究課題についての解説を受け、化学の進歩がどのように人間の文明に影響を与えてきたか、また、文明の進歩がいかに化学の進歩を促してきたを理解する。

山本 勇講師:化学工業分野で製造される素材化学品から、最先端の医薬品までが化学を基礎に造られている。これらのことを理解することより、化学が産業の中心的な科学であり、さらに生命現象を理解するのに重要であることを理解する。

授業内容

菅原 正講師:前半4回に関しては、後掲の参考書に沿った資料をもとに、ノーベル化学賞を受賞した研究課題について概観し、指定された課題について、詳しい説明を行う。内容の理解というよりも、時代とともに研究対象や方向論がどのように変遷したかに注目する。

山本 勇講師:錬金術から、有機化学の基礎へ、有機化学から薬学の発展、生命科学の発展について理解していくように進める。 私たちの毎日の生活に必要な物は多くは化学物質である。これらについては十分に理解することが必要である。さらに生命現象についても化学によって解釈できる。医薬品の作用メカニズムについて理解できる。これらについての手がかりを見出すように進める。

授業計画

菅原 正講師:予習としては、前回の講義で予告された課題について、簡単なまとめを作成すること。
復習としては、講義を聴いた後で、同じ課題について改めてまとめ直し、次回の講義にレポートとして提出すること。
菅原 正講師担当:前半4回分について
化学の進歩と文明の進歩を振り返り、ノーベル化学賞はその時代にとって大きな意義があると認められた研究成果なので、そこになんらかの時代の動向や要請が反映されていることを学ぶ。

01.第一回「元素の発見とその性質」化学は物質を対象とした学問であり、物質は元素からできている。特に今年は国際周期表年に当たるので、元素の発見史について概観する。

02.第二回「化学の概念」個々の化学現象の奥には普遍的な原理があり、化学の骨組みを形成している。熱力学といった物質・エネルギーの巨視的見方、近年の計測法の進歩で生まれた量子論、最近登場した自然をあるがままに捉える理論。表面、界面の化学、高分子や、コロイド化学の進歩は、日常利用する製品にも恩恵を与えている。

03.第三回「物質の化学」は、最も化学らしい分野ということもできるであろう。この分野は、無機物質、有機物質、金属錯体、高分子を対象として、大きく発展してきた。炭素の新たな同素体は高性能材料・電子材料としての応用が期待されている。

04.第四回「生命の化学」最近生命の化学に関連した研究課題の占める割合がかなり大きいことに気づく。その成果の多くは、生命と健康の基盤となっている。また「環境の化学」では、オゾン層破壊の反応機構が解明された。

山本 勇講師担当:以下の授業計画にしたがって講義していくが、毎回、予習と復習をすることを勧める。即ち、予習として、シラバスを読み解らない用語を予め調べること、復習として、講義内容で解らなかったことを自ら調べて、考察する。

05.第5回 化学史入門:錬金術から科学へ
06.第6回 有機化学の発展について説明する。
07.第7回 有機化学から薬学の発展を説明する
08.第8回 系譜 真島利行―星野敏雄―向山光昭
       -赤堀四郎―山村雄一  
有機化学の基をなす真島利行門下では生化学分野で有名な赤堀四郎がおり、ここより生命科学の分野に発展している。
09.第9回有機化合物と医薬品 既存医薬品を例にとり説明する。 
10.第10回最新の医薬品としてC型肝炎治療薬が開発され治療が困難であった慢性C型肝炎が治癒可能となったことを説明する。
11.第11回日本の化学工業 アンモニアは近代の産業の中心となる産物であり、はじめに工業的生産方が検討された。アンモニア合成について学ぶことは産業と化学を考えるのに大切である。
12.第12回メタノール合成 日本においても戦前より製造法が検討されており、純度の適した原料を得るのに検討されてきた。
13.第13回 尿素合成 生物が産生する尿素を無機物を原料として製造できることで注目されたが、工業的に製造されると窒素肥料として重要な工業製品となった。この工業的製造法は国際競争力のある方法が日本の企業により見出されている。
14.第14回 化学工業と公害 時代の先端をいく製造法が同時に公害をもたらしたことを事例を示して説明する。

授業運営

適宜、説明資料を配布する。毎回の授業終了前に、学生の皆さんの意見を知るために自由記述のアンケートを実施する(山本 勇講師担当部分)。

評価方法

授業への出席を重視、レポートによる総合評価を行う。レポートは自分自身で調べて作成されているかどうかを評価する。

オフィスアワー

質問、相談等は、授業終了後または非常勤講師控室で受け付ける(山本 勇講師担当部分)。

参考書

菅原正、濱田嘉昭『現代化学』[NHK出版]2013年
菅原 正講師 参考書

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