授業科目

知的所有権法
Intellectual Property Law

担当者

講師   吉井 一男
前 集中

単位

2

到達目標

(1)理系学生は、全て(潜在的な)発明者である!すなわち、理系学生であれば、何時・何処でも「価値ある発明者」となれるチャンスがあることを、理解する。
(2)発明に繋がる「セレンディピティ」を得るために、発明者には、「Prepared Mind」が必須なことを、理解する。
(3)理系学生が進むべき、いずれの理系職種(研究・発明者、開発・知財部員、ないし弁理士)においても、「知財リテラシー」の獲得/不断の改良が必須であることを、理解する。

授業内容

 本庶佑博士(2018年ノーベル生理学医学賞)の発明(画期的な抗癌剤;抗PD-1抗体)は、全く未知の「免疫」メカニズムに基づく「夢の癌特効薬」(特許3,454,275号)である。この特許は、本庶博士らによる特許取得、グローバル製薬企業とのコラボレーション等に基づき、莫大な医学的・社会的貢献を実現している。
 すなわち、特許(patent)は、合法的で強力な市場独占手段であり、企業の栄枯盛衰のみならず、関係者による多大な社会貢献をも可能とする。
 本講義では、このような観点から「知財で輝く」人材(発明者および/又は知財・開発部員)となるため、「明日から役立つ」基本的・実際的なポイントを、(最小限の法律的説明と)豊富かつ身近な「実例」を用いて解説する。
 上記の趣旨に基づき、(発明の本質的理解のために)、学生諸氏は、実際に「プチ発明」を自ら考案する「頭の体操」を、大いに楽しんで欲しいと考える。更に、幾らかでも、将来に役立つ「知財リテラシー」を獲得して戴ければ幸いである。

授業計画

01.(1)シラバスの確認
02.(2)序論-MOT(技術マネジメント)、商品寿命(プロダクト・ライフサイクル)の概要、特許の影響力を解説
03.(3)「発明とは何か」の解説、各特許要件(特に、新規性・進歩性)の解説
04.(4)「プチ発明」考案のポイントの説明、これに次ぐ各自の「プチ発明」検討の開始
05.(5)各自で「プチ発明レジュメVer.1」(A4用紙1枚、「1/3」程度)を起草し、該レジュメを元に、各自が講師に「プチ発明」をプレゼンし、講師の同意の得た上で、特許庁サイト(J-PlatPat)に各自がアクセスして、関連データの収集・検討、およびこれに基づく「プチ発明」の特許性を検討
06.(6)各特許要件(「新規性・進歩性」以外、明細書の「記載要件」等)の解説
07.(7)特許明細書起草の「実務的なポイント」の解説
08.(8)先の特許庁サイトからの関連データの収集・検討、これに基づく「プチ発明」の特許性検討に基づき、各自で「プチ発明レジュメVer.2」(A4用紙1枚、半分程度)を起草
09.(9)該レジュメを元に、各自が講師に「プチ発明」(Ver.2)をプレゼンし、講師の同意の得た上で、必要に応じ、各自で、更なる関連データの収集・検討、「プチ発明」(Ver.2)をbrush upする
10.(10)各自で、各自の「プチ発明」(Ver.3)のためのppt(パワーポイント)資料の作成を開始
11.(11)各自が自らの「プチ発明」をプレゼン、およびこれに基づき全員での質疑応答、講師の総括コメント
12.(12)上記のプロセスを、各自の「プチ発明」プレゼンに基づいて繰り返す
13.(13)講師による「講義全体」の総括
14.(14)簡単な「最終レポート」を各自で作成、該「最終レポート」は、本講義全般に関する「自由な感想」で良い;自分および/又は自分以外の「プチ発明」に関する追加コメント、その他「知財全般」に関連するコメント等を述べても良い

<予習>
 必要なし。
<復習>
 各回の講義において、種々の「自発的」活動(教室内におけるグループ討論またはインターネットを利用したサーチ)を行う。よって、(講義時間中に完成しない場合には)以下の内容が必要となる場合がある。
①「プチ発明」(すなわち、簡単な発明)1件を自ら考案する。
②講義の最終日に使用するための、プレゼン資料を作成する。
<授業計画の概要> (進捗状況により、内容は前後する)

授業運営

(1)理系研究者であれば、誰にでも、その目の前を常に「大河」が流れている。「新たなアイデア・意外なデータ」という大河が・・・。
(2)そのような「大河の流れ」から、特許可能且つ有用なアイデア(すなわち発明)を「自ら拾い上げる」眼力(洞察力、insight)を獲得することが、「知財リテラシー」の獲得の第一歩である。
(3)自ら「有用なアイデアを拾い上げる」眼力を獲得する近道は、自ら「プチ発明」(簡単な発明=技術的要素の新たな組合せ)を考案(発明の本質を理解)し、且つ、特許庁サイトからの自らの関連情報入手に基づき、自分の発明の特許性(patentability)を検討することである。
(4)このような観点から、本講義では、シンプル且つ実用的な「発明のコツ」を講師が説明し、それに基づき、受講生諸氏が自ら「プチ発明」を考案し、且つ特許庁サイトへのアクセスにより、該「プチ発明」の「特許性」を検討して貰うこととする。

評価方法

(1)プレゼン資料(「プチ発明」の説明書)、プレゼンの内容(質疑応答の内容を含む)、及び授業最後の「レポート」により採点する。
(2)上記の評価の割合は、以下のとおりである。
  プレゼン資料  30%
  プレゼンの内容 40% (自・他の発表に対する質疑応答の内容をも含む)
  レポート    30%
(3)なお、授業に1回も出席しなかった者は、評価の対象としない。

オフィスアワー

(1)質問は、授業時間中に、随時受け付ける。講義中における質問は、講義自体の「活性化」に極めて有用である(講義における「ノリ」が良くなる)から、大いに歓迎する。本講師は、質問されることが「大好き」であるから、(何らの遠慮無く)活発に質問して欲しい。
(2)本講義においては、上記の趣旨から、大いに議論することが好ましい。
(3)各自の「知財リテラシー」改善の観点から、講義終了後における「メールによる質問」をも大いに歓迎する。

参考書

廣瀬 隆行『企業人・大学人のための知的財産権入門』第2版[東京化学同人]2011年
津国 知財研究会『化学とバイオテクノロジーの特許明細書の書き方読み方』第7版[発明推進協会]2012年

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