授業科目

特別実習A
Biology Practice A

担当者

教授   小笠原 強
前 集中
准教授 大平 剛
前 集中
助教   藤田 深里
前 集中
講師   市川 貴美子
前 集中
講師   横山 典彦
前 集中

単位

1

到達目標

本実習は湘南ひらつかキャンパス付近の河川をフィールドとする「河川生物生態に関する実習」である。夏休み期間中に少人数で実施する。ともかく、夏雲煌めく河川の水に浸かれば、「生きもの目線」が自ずと芽生える。このことが実は本実習の到達目標である。"Observation is fundametal to all science"である。あらゆる科学の基礎は、現象下の現象の飽くなき「観察」と「体験」にある。この基盤となるのは科学目線・生物目線である。近年極めて容易く入手できる電子模擬情報は、手にとって感ずることが出来ない。精密分析機器が生み出す数値データでそれは得られない。サイエンスの原点は単純なところにある。
 本実習では「観察」の結果を主にスケッチと文章で表わす。最終日には河川の様態をグループごとに学会形式で発表する。このような作業をとおしてアタマの中にあるデータを整理し不確かな部位を確かめる。サイエンスはまた正確な表現なしには、当然ではあるが、あり得ない。短い期間ではあるが、本実習ではフィールドから成果の発表まで一連の科学研究経路を体験することになる。受講生はこの到達目標をつねに念頭におき、どのような位置にいるのかを意識しながら臨んでほしい。いずれにしても、護岸・河床改修工事などによる人為的な環境変動が日常的であり、降雨の有無による水位の変動も少なくない。これが周囲の田畑をも潤す典型的な近郊河川の真の姿でもある。

授業内容

陸水(inland waters)に関わる選択野外実習である。学年始めに本実習についてのガイダンスを行なう。8月初旬など3日間にわたり夏季休暇中に予定しているが、天候不順などにより変更することもあり得る。具体的な実施期間については掲示で通知する。二十名(数名のグループで実施)を限度とするので希望者が多数のときには抽選を行う。付近の中規模の河川(金目川を予定)をフィールドとする。河川幅、流量などの計測、底質などの物理的形状の観察を行なう。プランクトン、底性生物、植生などの採集を行なう。野帳(フィールドノート)に記録するとともに、実習室での生物の査定とスケッチを行う。河川の地勢図も作成して河川生物の生息環境を考察する。最終日にグループごとに発表を行ない、担当教員ならびに実習をサポートしてくれるSA(卒研生)と質疑応答をする。各自、その結果を参考にしたレポートを後日提出する。

授業計画

実習は8月初旬に3日間予定しているが、学年当初にガイダンスを行ない受講希望者を募る。多数の場合は抽選を行ない掲示によって周知するので、受講資格者は履修登録を行なう。さらに、2週間ほど前に集合して打ち合せ(事前打ち合せ会)を行う。実習は、6号館生物実習室を拠点とする。観察採集作業はなるべく午前中に切り上げるが、炎天下での作業となる。受講者は体調に十二分に留意して欲しい。以下のように実施する予定である。簡単な水生昆虫図鑑、および金目川に関する公のHPなどを事前に参照しておくと本実習がより実り多くなる。

1日目
 生物実習室集合(1限目)、打ち合せ、河川へ徒歩移動(30分)、物理・化学データ作成(記録用カメラ貸与予定)、実習室にもどり昼
 食休憩、河川地勢図作成、データ整理 
2日目
 生物実習室集合(1限目)、打ち合せ、河川へ徒歩移動(30分)、河川生物観察採集(記録用カメラ貸与予定)、実習室にもどり昼食休
 憩、生物同定スケッチ、データ整理 
3日目
 生物実習室集合(1限目)、データまとめ、発表手順検討、発表質疑応答、スタッフによる講評

授業運営

実習はキャンパス近隣の金目川を予定している。本河川は秦野市街をとおり平塚市郊外をかすめて相模湾に流下する中規模の河川である。農業用水としても利用されており、河川水は清澄で遊泳する魚類の姿も目視できる。本実習でフィールドとする流域の大部分は水深流速とも適度で、底質は砂利あるいは礫であり、河川に立ち入っても危険性はきわめて少ない。そのうえでさらに、安全確保のためグループごとにスタッフと十分な数のSAとを配備し、救命具も持参する。しかしながら、自らの身を守るのは日常生活も含めて自分自身であることを念頭におくこと。いずれにしても野外での実習なので、天候の急変時などには臨機応変に対処して実施する。

評価方法

事前に別途行う実施打ち合せ、ならびに三日間の実習には必ず参加すること。それを条件としてレポート評価する。

オフィスアワー

質問などは担当教員教員室に出向くこと。オフィスアワーの目安は13時30分〜17時30分とする。

使用書

なし。

参考書

なし。

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