授業科目

幾何学
Geometry 

担当者

教授   酒井 政美
後 木1

単位

2

到達目標

 本講義の到達目標は、受講生が、(1)距離空間から始めて抽象的な位相空間の基本的な事柄について学習し、(2)微分積分学で出てきた最大値・最小値の定理や中間値の定理では、実数空間のコンパクト性や連結性の位相構造が本質的であることを理解し、(3)数学における位相構造の重要性の一端を理解することである。集合や写像の基礎については知っているものとする。

授業内容

 距離空間や位相空間の定義から始めて、連続写像、部分空間と近傍、分離公理と距離化可能性、コンパクト空間、連結性と弧状連結性、などを学習する。

授業計画

 各回の講義内容は、次のように予定しているが、時間の関係で若干前後する場合もある。予習として、各回の講義内容に出てくる定義(言葉)を予め調べておくと、講義内容を理解するうえで非常に効果的である。復習としては、毎回の講義で触れられた事柄(定理等)に関係する例題や、練習問題を繰り返し考えてみることが効果的である。抽象的な事柄を扱うので多くの例や例題を取り入れたい。14回の講義は以下の通りである。

1.シラバスの記載事項確認。ユークリッド空間と距離空間
   ユークリッド空間をモデルとして距離空間の定義を与える。
2.距離空間の部分空間と直積距離空間
   部分集合と直積集合に距離構造を与える。
3.距離空間の間の連続写像
   実数値関数の連続性をモデルに距離空間の間の連続写像の定義を与える。
4.距離空間の位相構造
   距離空間が自然にもつ位相構造について調べる。
5.位相空間
   位相空間の定義を与え、距離空間との関係をみる。
6.位相空間における内部と閉包、および部分空間
   位相空間の部分集合に対して、内部や閉包の定義を与える。
7.連続写像と位相同型写像
   位相空間の間の写像の連続性の定義を与え、開集合が重要であることを理解する。
8.開被覆とコンパクト性
   コンパクト性の定義を与え、具体例を考える。
9.ユークリッド空間のコンパクト集合と最大値・最小値の定理
   コンパクト性を利用して、最大値・最小値の定理を証明する。
10.コンパクト性に関する例題と演習
   演習問題を通して、コンパクト空間に関する内容について確認する。
11.位相空間の連結性と連結成分
   連結性の定義を与え、具体例を考える。
12.ユークリッド空間の連結集合と中間値の定理
    連結性を利用して、中間値の定理を証明する。
13.連結性に関する例題と演習
    演習問題を通して、連結空間に関する内容について確認する。
14.臨時試験と解説・質疑応答
    講義内容の基本的事柄を理解しているか臨時試験を行い、試験後に解説・質疑応答を行う。

授業運営

 授業は講義と若干の演習から構成される。演習では講義で説明した内容を練習問題として実際に解いていき、定義や定理の理解を確かなものにする。講義内容が抽象的であるため、随時演習を取り入れていく。欠席するとたちまち理解が困難になりますので、必ず出席すること。

評価方法

 授業の最終日に行う予定の臨時試験80%、平常点20%(演習問題の黒板での解答やレポート等)で評価する。位相空間の基本的な概念に習熟し、これらの概念を用いて基本的な計算(証明)ができれば合格です。出席状況は評価の対象としない。

オフィスアワー

 水曜日の13:30以降(ただし、会議等の時間を除く)、13号館205研究室へ。オフィスアワーの時間外、また講義後でも随時対応します。研究室に不在の場合は、他の数理コース教員が対応します。

使用書

大田 春外『はじめての集合と位相』[日本評論社]2014年

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