授業科目

文化財基礎化学
Basic Chemistry of Cultural Properties

担当者

教授   西本 右子
後 火5

単位

2

到達目標

歴史・考古資料を自然科学的側面から解析する手法を学び、文化財試料の取り扱い・保存・修復に役立つ知識の習得を目的とする。
理学部のカリキュラムポリシーに従い、総合理学プログラムのための科目として設立された授業科目である。本講義の到達目標は受講生が保存・修復を含めた文化財科学という学際領域の学問分野の知識を身につけることである。そのため化学・生物・物理・情報の各分野の総合的な知識を総動員して知識の習得を目指すことになる。少なくとも化学の基礎知識を学んだ上で履修することが望ましい。

授業内容

本講義では歴史・考古資料を自然科学的側面から解析することを目的とする。 
文化財化学は人文・社会科学と自然科学の境界領域に位置し、複合領域の側面を有する。
広く“文化財科学”の一分野ということもできよう。“文化財科学”は20世紀後半に日本で生まれ育ったまだ若い学問分野であるといえるが、特に自然科学的側面は近年の科学機器・手法の著しい発展により急速に進歩しつつある。
本講義では、対象とする資料を、広く過去の生活・環境・技術一般とし、自然科学的知見が歴史学・考古学にどのように役立つか、例を挙げて解説する。
 本講義では、材料からみた歴史・考古資料、歴史・考古資料と材質とその取り扱い計測・分析法、出土・考古資料から過去の生活・環境・技術を探るの順で進める。各項目ではできるだけ実例を取り上げ、歴史背景との関連を考慮する。
 初回に必要な基礎知識の整理をするので、よく復習して2回目以降の授業に臨むこと。前回までの復習を充分に行っていることを前提に進める。予習・復習合わせて各回あたり約4時間の自己学習を想定している。予習については休日等にまとまった単元を予習して授業に臨むことは効果的である。

授業計画

各階の講義内容は以下のように予定しているが、進捗状況によって前後することがある。初回にシラバスの記載事項について確認した上で進め方について説明する。
1.シラバスの確認と文化財化学概論と基礎知識の整理
2.材料からみた歴史・考古資料:金属について歴史・考古資料との関連、材料ごとの加工技術を概説 
3.材料からみた歴史・考古資料:岩石、セラミックス、ガラス
4.材料からみた歴史・考古資料:紙・植物材料・染料・顔料
5.材料からみた歴史・考古資料:動物・人工材料
6.歴史・考古資料と材質とその取り扱い-安全・防災
7.保存環境(測定法)
8.劣化との関連
9.保存と修復
10.計測・分析法:形態を観察する
11.計測・分析法:どんなものからできているかを知る(元素分析、化合物分析)
12.計測・分析法:年代を知る、DNA、アミノ酸分析
13.計測・分析法:産地推定
14.全体のまとめと演習:これまでの授業についてまとめの小テストを実施し、終了後に解説する。

授業運営

プリントを配布する。レポートを課す。
必要に応じてまとめの小テストを実施する。
参考書は授業中に紹介する。
1回目の授業で全体の基礎知識の整理を行うので、各回の授業では予め関連項目を復習して臨むこと。
毎回授業中に小テストを実施するので、できなかったところを復習しておくこと。

評価方法

レポート(40%)及び小テスト(60%)で評価する。

オフィスアワー

質問等は授業開始前及び終了後に教室で受け付ける他、随時研究室2-230で受け付ける。

参考書

『文化財科学の事典』[朝倉書店]2003
三浦・佐野・木川『文化財保存環境学』[朝倉書店]
齋藤努『考古資料の自然科学調査法』[ニューサイエンス社]

Copyright© 2017 Kanagawa University. All Rights Reserved.