授業科目
Course Title

生物統計学
Statistics in Biology

担当者
Instructor

准教授 鈴木 祥弘
後 月3
講師   齋藤 礼弥
後 月3
講師   若山 典央
後 月3

単位
Credit

2

関連するディプロマポリシー
Related Diploma Policy

自立した良識ある市民としての判断力と実践力/Judgment and practical ability as an independent citizen of sound sense

到達目標
Target to be Reached

生物学が扱うばらつきをともなうデータから、意味のある結論を客観的に下すためには、統計学的な手法を用いる必要がある。このため本講義は、受講生が、①統計学的なものの考え方を身につけ、②統計学的な処理や解析方法について理解し、③それらを実践できるようにすることを目的とする。

授業内容
Course Content

生物学に必要な統計学の導入として、基礎的な事項をひととおり扱う。データの基本的な処理方法から、推定、検定といった統計学的手法について学ぶ。授業は講義形式で行うが、統計学的操作を実践するため、表計算ソフト(Microsoft Excel)を使った演習も行う(下の「授業運営」を参照のこと)。

授業計画
Course Planning

各回の講義は、以下のような予定で行う。前半に実験データの性質を現すために必要な記述統計の基礎を、後半でデータの持つ性質を推定するために必要な推計統計の基礎を学ぶ。演習をともなう講義形式で進めるため、毎回各自の復習が必須となる。dotCampusで配付するプリントでの予習、復習が必要。前回までの内容を理解し、操作を一人で行えるようになっていることを前提とする。それを行う自信がない者は、必ず途中で脱落することになるため、あらかじめ本講義を履修しないこと。


1. ガイダンスとプレテスト
統計学とはどういう学問なのか?生物学において、どのようなときに必要で、どのように威力を発揮するのか?を学ぶ。

Ⅰ. 生物学で用いる記述統計の基礎
2. 統計学の基礎I
統計学を考える上で必要な確率の考え方を学ぶ。
3. 統計学の基礎II
生物学で得られる様々な種類のデータの扱い方を、データの数値化を通して学ぶ。
4. 統計学の基礎III
統計の基礎となる母集団と標本について学ぶ。また、平均、分散、標準偏差などの各種基礎統計量の意味や計算方法を学ぶ。
5. データの可視化と検討
得られたデータをどう扱うか、方針を考える上でグラフ作成による可視化は非常に有効である。 表計算ソフトを使って度数分布表を作成し、ヒストグラムなどのグラフが描けるようにする。
Ⅱ. 生物学で用いる推計統計の基礎
6. 数値データの検定の基礎
プログラムで発生させた乱数でシミュレーション実験を行う。実験結果を通して検定を体験し、数式を用いずに検定について学ぶ。
7.二項分布
相反する二つの事象からなる実験結果の取り扱い(二項分布の計算方法)を学ぶ。
8. 二項検定
区間推定と二項分布を用いた検定(二項検定)を学ぶ。
9. 中心極限定理と正規分布
シミュレーション実験を通して中心極限定理と正規分布を理解する。正規分布に従うデータで区間推定を学ぶ。
10. Studentのt検定
正規分布に従う2つのグループの平均の差についてt分布を解説する。t分布を用いて平均の差を評価するStudentのt検定を学ぶ。
11. 非数値データの検定の基礎とχ2検定
生物学におけるデータは計測可能、数値化可能とは限らない。クロス集計表として表された数値化できないデータの取り扱いとその検定法を解説する。χ2検定を学ぶ。
12. Fisherのexact test
標本数が少ない場合に、2つのカテゴリーに分類されたデータの分析に用いられる検定法であるFisherのexact testについて学ぶ。
13. 多重比較
複数のグループ間を比較する場合の取り扱い上の注意点と検定方法について学ぶ。
Ⅲ. まとめ
14. 統計的手法を使った具体例と発展
これまでの授業で扱った統計学的手法が、実際の生物学の現場でどのように使われているのかを、具体例をとおして紹介する。 それを通じ検定結果をどの様に記述するべきか、表現方法について学ぶ。また、この授業では扱わなかったが、今後必要となる手法についても簡単に紹介する。

授業運営
Course Management

講義形式で行うが、表計算ソフトを使った演習も行う。このため、毎回の講義(第3回以降)には、ノートパソコンを使用する必要がある。貸し出しも行うが、数に限りがあるのと、慣れたものを使うほうが望ましいため、各自が所有するノートパソコンを持参することを推奨する。また、統計学を学ぶ上で、基本的な数学的な考え方や確率の計算は避けてとおることができない。受講を希望する者はそのつもりで履修すること。初回のガイダンスではプレテストを行い、本講義を履修するにあたって最低限の知識を有しているのか確認するため、受講希望者は必ず出席すること。

評価方法
Evaluation Method

授業期間中に数回行う小テストと授業期間の最後に行う総合テストの得点により評価する。各テストでは、知識を問うばかりでなく、それまでに習得すべき操作を各自が行えるようになっているのか確認する。出席状況は評価の対象としないが、各テストをこなすためにはすべての授業への参加が前提となる。

オフィスアワー
Office Hour (s)

開講日の4限(15:10から16:00)に6-111Aで技術的相談を受け付ける。
不明な点はその日のうちに、解決してほしい。
dotcampus、メールでの相談は随時受け付ける。

使用書
Textbook (s)

M. Bremer and R.W. Doerge 訳: 打波 守、野地澄晴『アット・ザ・ベンチ バイオ実験室の統計学』[メディカルサイエンスインターナショナル]2011年
ISBN978-4-89592-671-3

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