授業科目

物質科学実験
Experiments in Materials Chemistry 

担当者

教授   加部 義夫
前 木3-木4-木5
後 木3-木4-木5
教授   木原 伸浩
前 木3-木4-木5
後 木3-木4-木5
教授   廣津 昌和
前 木3-木4-木5
後 木3-木4-木5
助教   力石 紀子
前 木3-木4-木5
後 木3-木4-木5
助教   渡邉 信子
前 木3-木4-木5
後 木3-木4-木5

単位

3

到達目標

本科目における到達目標は、受講生が、
①有機物質および無機物質の合成における基本的な操作法を身につけ、
②合成化学実験に伴う物理的危険性、化学的危険性、および生理的危険性を学び、化学実験を安全に行うための準備、手順、心構えを身につけ、
③物質の基礎的な構造解析、機器分析のデータ解析、を行えるようにし、
④化学の基礎的な情報の収集法を修得し、
⑤実験ノートの書き方、データの管理、レポートの作成における基礎と要点を身につける、
ことにある。
  理学部化学科のカリキュラム・ポリシーに従い、実習法として、物質を取り扱う実験観察技術と,得られたデータを的確に処理するための能力を身につけるようにカリキュラムを編成しており、本科目は必修の科目である。

授業内容

次の3つの合成実験を行う。
①無機化合物の合成(酸化物高温超伝導体YBa2Cu3O(7-δ)の合成と物性)
②配位子と金属錯体の合成(meso-テトラフェニルポルフィン及びmeso-テトラフェニルポルフィン亜鉛(II)の合成)
③有機化合物の合成(ケトンへの保護基の導入、グリニャール反応、保護基の除去によるレブリン酸メチルから5-ヒドロキシ-5,5-ジフェニル-2-ペンタノンの合成)
それぞれについて、合成反応、目的物の分離精製、構造解析を行う。
 本実験は、物質合成の実験はただ反応させれば終わるものではなく、目的物を分離精製し、その構造解析を行って初めて完結するものであることを身をもって体験することを目的とする。さらにタイプの異なる3種の化合物の合成を行うことによって、無機合成・有機合成に共通の手法、及びそれぞれの化合物の合成に特徴的な手法を学ぶ。また、合成実験の基本的操作だけでなく、以下に示す分離精製・構造解析の手法について、その原理、操作、得られる情報などを修得する。
 分離精製法:減圧蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー
 構造解析法:核磁気共鳴スペクトル(NMR)、赤外吸収スペクトル(IR)、紫外可視吸収スペクトル(UV)、質量分析法(MS)、元素分析、X線回折、熱重量-示差熱分析(TG/DTA)
 教科書に記載の実験操作の一部は、英語で書かれている。化学英語の文章に慣れるのも本実験の大きな目的の1つである。

授業計画

1.実験講義及び実験準備(第1週)
 1)実験を行う上での諸注意、各テーマの説明、レポートの書き方
 2)実験器具、薬品の準備
2.実験(第2〜13週)
A、B、Cの3グループに分け、①無機化合物の合成、②配位子と金属錯体の合成、③有機化合物の合成、の3テーマについて、それぞれ4週にわたり全12週の実験を行う。Aグループは①→③→②の順に、Bグループは②→ ①→ ③、Cグループは③→ ②→①の順に実験を行う。
 ①無機化合物の合成
  クエン酸塩法による酸化物高温超伝導体の合成 (第1週)
  固相法による酸化物高温超伝導体の合成 (第2週)
  マイスナー効果の確認と臨界温度の測定 (第3週)
  X線回折測定及び熱重量-示差熱分析測定(第4週)
 ②配位子と金属錯体の合成
  meso-テトラフェニルポルフィンの合成 (第1週)
  meso-テトラフェニルポルフィン亜鉛(II)の合成(第2週)
  meso-テトラフェニルポルフィン亜鉛(II)のカラムクロマトグラフィーによる精製(第3週)
  合成物のNMR、IR、UVスペクトルの測定及び元素分析測定 (第4週)
 ③有機化合物の合成
  レブリン酸メチルエチレンアセタールの合成と減圧蒸留による精製(第1週)
  5-ヒドロキシ-5,5-ジフェニル-2-ペンタノンエチレンアセタールの合成(第2週)
  5-ヒドロキシ-5,5-ジフェニル-2-ペンタノンの合成 (第3週)
  合成物のNMR、IR、MSスペクトルの測定および融点測定(第4週)
3.テスト及び実験器具薬品の整理
各実験内容に関するテストと使用した実験器具、装置の整備(第14週目)

授業運営

1.3テーマの合成実験を2人1組で行う。各テーマをそれぞれ4週、計12週で行う。
2.全体を3グループに分け、3テーマを同時進行させる。
3.各テーマが始まる前に教科書をよく読んで、予習をする。
4.各テーマが終わる毎に、レポートを提出する。

評価方法

レポート、テストで評価する。実験に臨む姿勢として予習状況および実験時のノート記載状況のチェックを行う。無断欠席者に対しては単位を認定しない。レポート未提出者には単位を認定しない。予習、実験ノートのチェックによる減点を行う。

オフィスアワー

実験を行なう上で不明の点や疑問の点は実験中にその場で教員に直接質問すること。レポート作成時の疑問点や実験に対する総合的な疑問などは、実験終了後に実験室で、あるいは、担当教員の研究室で随時受け付ける。

使用書

神奈川大学理学部化学科『物質科学実験Ⅱ(無機合成・有機合成)』第13版2015年

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