授業科目

高分子科学
Polymer Sciences

担当者

教授   金 仁華
前 木2

単位

2

到達目標

この授業科目の到達目標は、受講生が高分子の特徴を多方面から理解することです。次に、高分子の特徴を理解した上で、有機化学の基礎知識を活用した高分子の合成や、高分子材料の基本的な特徴を理解することです。これにより、化学技術者として高分子科学の知識を総合的に活用できる能力を習得します。

授業内容

高分子科学は20世紀半ばに始まった新しい学問ですが、研究の進展が著しく、その成果は現在、汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチック、合成繊維、合成ゴム、機能性材料等として様々な産業や日常生活において広範囲に利用されています。そのため、化学系の学生は高分子化学の基礎を学び、その合成法や高分子材料の基本知識を習得することが不可欠です。本講義では、専門分野の学力の涵養と基本知識を習得させることを目標とし、高分子の特徴、逐次重合、連鎖重合、開環重合による高分子の合成及びそれらの材料としての応用等について概説します。

授業計画

01.ガイダンス(シラバスの記載事項、授業の進め方、各章のプリントの配布、宿題と事前予習、質疑応答などについて説明)/高分子の基礎:(1)高分子化学の歴史と発展、(2)高分子化学の現状と将来 、
(3)高分子の特徴(高分子とは、多分散性と平均分子量、高分子の熱的性質、高分子の力学的性質、高分子溶液の性質など)、
(4)高分子の分類(産出による分類、材料の性質や用途による分類など)、(5)高分子の化学構造(重合の繰り返し単位、高分子のミクロ構造、高分子の立体規則性、高分子の化学構造と性質、共重合体など)、(6)重合反応(重合反応の分類と特徴、逐次重合と連鎖重合の相違など)
02. 重縮合による高分子の合成:(1)鎖状高分子、分岐高分子、および架橋高分子の生成 (2)ポリアミドの合成、(3)種々の機能性ポリアミド類の合成
03. 4)ポリイミドの合成、(5)ポリエステルの合成、(6)ポリカーボネートの合成など
04. 重付加による高分子の合成:(1)重付加反応の特徴、(2)ポリウレタンの合成、(3)ポリウレアの合成、(4)ポリイミドの合成
05. ビニルモノマーの重合:(1)ビニルモノマーの構造と種類、(2)ビニルモノマーの重合の開始、(3)ビニル化合物の重合様式 、
 (4)モノマーの構造と重合特性、(5)ビニルモノマーの重合方法
06. ラジカル重合:(1)ラジカル重合の開始剤、(2)ラジカル重合の禁止と抑制、(3)ラジカル重合の素反応
07. 4)ラジカル重合の速度論、 (5)ラジカル重合により得られる高分子材料
08. ラジカル共重合:(1)ラジカル共重合速度、(2)共重合体の組成
09. 3)単量体反応性比(r1, r2)、(4)交互共重合の機構、 (5)ラジカル共重合により得られる高分子材料
10. カチオン重合:(1)カチオン重合性モノマー、重合触媒、重合溶媒、(2)カチオン重合の素反応、 (3)カチオン重合により得られる高分子材料
11. アニオン重合:(1)アニオン重合の特徴、(2)アニオン重合性モノマー、重合触媒、重合溶媒 (3)アニオン重合の素反応、(4)リビングアニオン重合
12. 5)配位アニオン重合、(6)アニオン重合により得られる高分子材料、
13. 開環重合:(1)開環重合の起こり易さ、(2)開環重合の触媒と溶媒、(3)種々の環状モノマーの重合 (4)開環重合により得られる高分子材料
14. 無機高分子:シリカ、ポリシロキサン、ポリシリコーンなど

授業運営

1. 使用書は、『ベーシックマスター 高分子化学』(西久保忠臣編)です。その他の参考書を以下に紹介します。授業はパワーポイントと板書で行いますが、適時プリントの配布をします。
2. 講義の理解度や勉学度を調べるため、5回程度のスモールテストを実施します。
3. 本講義は最も重要な専門科目の一つですが、高分子科学(化学)全体を理解するためには、「高分子科学II」を併せて履修することが不可欠です。

評価方法

基本的には定期試験の成績を80%、平常点を20%として総合評価します。
また、技術者や研究者を志す人は、自身の学力の基準としては80点以上を目指して下さい。

オフィスアワー

火曜日の昼休み(23号館717室)。

使用書

西久保忠臣他『ベーシックマスター 高分子化学』[オーム社]

参考書

蒲池幹治『高分子化学入門』[NTS]
東京化学同人『基礎高分子科学』
井上祥平『高分子合成化学』[裳華房]

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