授業科目

機械材料
Materials of Mechanical Engineering

担当者

准教授 寺島 岳史
前 火1/水2

単位

2

到達目標

本講義の到達目標は、受講生が金属材料を中心とした材料の内部構造、強度と変形、合金の平衡状態図、相変態と熱処理、製造と加工などの基礎知識の習得、鉄鋼材料や非鉄金属材料などの実用材料について理解を深めることである。
機械工学科のカリキュラムポリシーに従い、機械やシステムを解析して設計・作製するのに必要な実践的能力を育成するために、基礎知識や技術を身につけることができるようにカリキュラムを編成している。機械工学科における「ものつくり」とは、機械製図やCAD/CAMなどの講義で学んだ知識で機械を設計し、機械材料の講義で学んだ知識で適切な材料を選択して加工して組み立てて製品とする一連のプロセスである。よって設計関連の講義を履修しようと計画している者は、あわせて本講義を履修することが望ましい。

授業内容

目的にかなった機械を作るには、設計した各部品に対して最適な材料を選定することが重要である。近年、過酷な条件下(高圧力、高温、極低温など)で使われる機械が多くなってきた。機械の性能は構成材料によって制約されることを理解して欲しい。ここでは材料の特性、強度、性質および材料の種類などについて概観し、機械材料全般について理解を深める。

授業計画

以下の授業計画に沿って14回の講義を予定している。 時間の関係で若干前後する場合もある。
教科書を読んでいることを前提に講義するので、予習として①各回の該当ページをあらかじめ読んでくること、②分からない用語は下線を引いて自分なりに調べておくこと、の2点が必要である。
復習としては、教科書の章末問題などを解いて理解を深めることが大事である。
なお、予習と復習を合わせて各回あたり約4時間の自己学習が必要である。

1.ガイダンス/なぜ機械工学で材料学を学ぶのか
まず、シラバス記載事項について確認する。機械材料学とはどうゆう学問なのか、学習の仕方、講義全体の概要等をつかむ。
(1)機械・材料関係雑誌 (2)材料の基本的特性 (3)材料の使用例 (4)機械の分類、機械の性能 (5)材料の分類と種類および特性
2.材料の構造
実用する機械材料はどのような内部構造か、どのような組織を形成しているかを学習することで、次回以降に学ぶ材料の諸現象や特性を理解するための基礎知識を学ぶ。【予習】教科書第2章を読んでくる。
(1)原子の構造と結合 (2)金属の結晶構造 (3)結晶構造の指数表示 (4)金属の結晶組織 (5)金属組織の観察法
3.材料の強さと変形1 :材料の変形
材料の力が加わったときに、どのような変形と破壊を生じるかについて学び、さらに変形と破壊の生じる機構についてマクロ的視点とミクロ的視点から材料の力学的基礎知識を修得する。【予習】教科書第3章を読んでくる。
(1)剛性と強度(弾性変形時の応力とひずみ) (2)塑性変形(完全結晶の変形、転位の運動と塑性変形、すべり系)
4.材料の強さと変形 2:強化機構と破壊
金属材料の強化機構および破壊について学ぶ。【予習】教科書第3章を読んでくる。
(3)強化機構と強化法 (4)材料の破壊 (5)材料の疲労 (6)材料試験
5.平衡状態図1:自由度と平衡状態図の読み方
合金の組成と温度の関係を表す平衡状態図について、その読み取り方および利用の仕方について学習する。【予習】教科書第4章を読んでくる。
(1)平衡状態図 (2)相律 (3)二元合金状態図
6.平衡状態図2 :拡散・高温変形
原子の拡散現象は固体でもおこる。拡散と温度と濃度勾配の関係を学ぶ。【予習】教科書第5章を読んでくる。
(4)実用材料の例 (5)三元合金状態図 (6)拡散 (7)フィックの第1法則 (8)フィックの第2法則 (9)拡散の機構 (10)高温変形とその機構
7.中間試験と解説
ここまでの内容について中間試験を実施する。終了後テスト内容についての解説を行い、あわせて質問を受け付けることにより、知識の整理と重要項目の記憶の定着を図る。
8.相変態と熱処理
材料加工において重要な相変態と熱処理について、鉄鋼材料を例にして学習し、さらに、熱処理における回復と再結晶、時効と析出のような組織制御に関する基礎的な事項について学ぶ。【予習】教科書第6章を読んでくる。
(1)相変態 (2)熱処理 (3)回復と再結晶 (4)時効処理
9.材料の製造と加工
鉱物から板や棒材を作りだす一次加工、およびそれらを所用の形状や寸法に加工する二次加工について学ぶ。【予習】教科書第8章を読んでくる。
(1)金属素材の製造法 (2)鋳造 (3)塑性加工 (4)粉末成形,粉末冶金 (5)接合 (6)射出成形
10.鉄鋼材料1 :鋼の状態図と組織
金属の中で最も広く利用されている鉄鋼材料について種類と特性、特に機械的性質について学ぶ。【予習】教科書第9章を読んでくる。
(1)炭素鋼および合金鋼の状態図と組織 (2)機械構造用鋼とその特性
11.鉄鋼材料2 :工具鋼、ステンレス鋼、耐熱鋼
工具鋼、ステンレス鋼、耐熱鋼について学ぶ。【予習】教科書第9章を読んでくる。
(3)工具鋼とその特性 (4)ステンレス鋼とその特性 (5)耐熱鋼とその特性
12.非鉄金属材料1 :アルミニウム合金、銅合金
非鉄金属は、その金属元素の特徴を有し、そのまま純金属として利用されるものもあるが、多くは合金にして用いられる。ここではアルミニウム合金、銅合金を例に取り上げて学ぶ。【予習】教科書第10章を読んでくる。
(1)アルミニウムおよびアルミニウム合金 (2)銅および銅合金
13.非鉄金属材料2 :ニッケル合金、チタン合金、マグネシウム合金
ニッケル合金、チタン合金、マグネシウム合金を例に取り上げて学ぶ。【予習】教科書第10章を読んでくる。
(3)ニッケルおよびニッケル合金 (4)チタンおよびチタン合金 (5)マグネシウムおよびマグネシウム合金
14.高分子、セラミックス材料
高分子(プラスチック)やセラミックスは金属材料にはない特性を持ち、その特性を効果的に応用する部材として用いられている。これらについて学ぶ。【予習】教科書第11章を読んでくる。
(1)高分子材料の種類と特性(熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチック) (2)無機材料の種類と特性 

授業運営

授業は講義形式で行い、演習を交えながら説明する。授業運営の詳細については初回授業時間中に改めて説明する。
使用書をもとに授業計画に従って進める。中間試験と学期末試験を実施する。
講義に関係することをWebSt@tionやdotCampusのお知らせに配信することがあるので必ず授業前に確認すること。
講義中の私語、無用な出入りは厳禁とする。
携帯電話は机の上に置かずカバンの中にしまうこと。

評価方法

中間試験30点+学期末試験70点
講義を4回以上欠席した者は評価の対象としない。

オフィスアワー

木曜日4限 (6号館403号室),もしくはメールでアポイントをとってもらえれば随時受け付ける(terajima@kanagawa-u.ac.jp)。

使用書

日本機械学会『機械材料学』初版[丸善(JSMEテキストシリーズ)]2008

参考書

講義の中で必要に応じて指示する。

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