授業科目

電子回路
Electronic Circuits 

担当者

教授   島 健
後 火1
准教授 土屋 健伸
後 火1

単位

2

到達目標

 本講義の到達目標は、受講生が、①電子回路の構成部品であるダイオードおよびバイポーラトランジスタという2種類の非線形素子の動作とその仕組みと理解すること。②非線形素子を含む電子回路固有の解析方法である、小信号等価回路による解析方法を身に付けることである。
 また、電気電子情報工学科のカリキュラムポリシーに従い、電子の専門分野の科目について基礎から学ぶことができるようカリキュラムを編成しており、本科目の履修にあたっては、電気回路I、基礎電子物性工学を学んでいることが望ましい。また、本講義により、電子回路II、集積回路工学等の各科目を学ぶための基礎を身につけることも目標としているので、これらの科目を履修しようと計画している学生は、できるだけこの科目を並行してあるいは先に履修することが望ましい。

授業内容

 電子回路の発展の歴史は、利用することのできる能動素子の発明の歴史と軌を一にしている。古くは真空管の時代まで遡ることのできるほど長い歴史を有する学問分野である。エジソン(Edison1883)、フレミング(Fleming1904)、リー(Lee De Forest1906)らによる真空管の発明によりさまざまな真空管回路が考案され、半導体素子の発明により半導体回路として引き継がれるとともに新たな回路が考案され、今日の(IC、LSI、VLSIなどと略称されている)集積回路としてたゆみない発展を続けている。電子回路Iでは、このように長い歴史をもち先人たちが苦闘し獲得した体系化された電子回路がどのような技術なのかについて講義する。まずダイオード、トランジスタ等の非線形素子について学ぶ。次に非線形素子を含む回路の解析の方法である小信号等価回路について学ぶ。また、トランジスタ基本増幅回路の構成と性能の評価の仕方について学ぶ。さらには、オペアンプやオペレーショナルトランジスタを含む電子回路の解析の仕方を学ぶ。
 尚、本科目の講義内容は電気主任技術者資格取得に要する技術項目を含む。

授業計画

 授業計画は時間の関係で前後するが、予習では、2時間をめどに毎週講義予定に記載されている、初めて遭遇する専門的な技術用語について調べておくこと。復習は、2時間をめどに講義内容のノートを読み返し、式の導出等で不明な点が無いか、わからない事項はないか、わからない場合はどこがわからないかについて順序立てて考察すること。
  1.シラバス記載の事項についての確認、および電気回路学で学んだことの復習その1;電流、電圧、抵抗、コンデンサー、コイル
    の働きについて復習する。
  2.電気回路学で学んだことの復習その2;複素数とフェザー表示。複素数と電気回路の関係を復習する。
  3.電気回路学で学んだことの復習その3;ニ端子対回路、KCL、KVL。回路網の解析方法を復習する。
  4.電子回路の例としてゲルマニウムラジオの回路図と各ブロックごとの動作について講義する。
  5.ダイオードの動作について、バンド理論と流体モデルによる理解ができるように講義する。
  6.ダイオードを含む回路の大信号解析について実際の回路を解析しいてみることで、非線形素子を含む回路の解析がいかに難しいか
    を体験する。
  7.非線形素子の線形化を行うことで、非線形素子を含む回路の解析が可能であることを講義する。
  8.非線形素子であるダイオードを線形化することで導かれる小信号モデルにより回路を解析するという考え方について講義する。
  9.ダイオードを含む回路をダイオードの小信号モデルを利用して、回路全体の小信号等価回路を作成して解析できることを理解でき
    るよう講義す
    る。解析に当たっては重ね合わせの理を援用して、小信号等価回路が作成されることを理解できるよう講義する。
 10.トランジスタの動作について、バンド理論と流体モデルによる理解ができるように講義する。
 11.トランジスタの動作を忠実に再現するエバースモルモデルについて講義する。
 12.ダイオードの小信号モデルとエバースモルモデルよりトランジスタの小信号モデルが作成できることを講義する。
 13.トランジスタ基本増幅回路とその電気的性能指標を小信号等価回路を作成することで解析できることを講義する。
 14.オペアンプ(OPA)とオペレーショナルトランジスタコンダクタンス(OTA)を含む回路の解析法について講義する。

授業運営

 島の授業運営は以下のとおりである。講義はすべて講義形式により実施する。講義は使用書並びに第一回目の講義で配布する関連資料を基に実施する。講義は板書で行う。毎回の講義の途中で、理解度を確認するための演習を実施する。

 土屋の授業運営は以下のとおりである。講義はすべて講義形式で実施する。講義は使用書並びに毎回講義で配布する関連資料を基に実施する。講義はパワーポイントで行い,必要に応じて板書で補足する。講義の途中で、理解度を確認するための演習を実施する。

評価方法

 島の評価方法は以下のとおりである。期末テストにより評価する。期末試験の範囲は、講義内容、講義資料および下記使用書の第1章から第4章まで。合格点は授業中に実施した演習の内容を正確に理解しているか、演習の内容の応用ができるかにより与えられる。出席状況は加味しない。なお、定期試験採点後に各設問ごとに多かった誤りについて「dotCanpus」に掲載するので今後の学習に活用してください。

 土屋の評価方法は以下の通りである。授業中の実施した演習30%,期末テスト70%として総合評価する。電子回路の基礎となるダイオードおよびトランジスタの基礎的な知識・特性と、それらを含む回路の解析方法を取得していることが合格条件となる。

オフィスアワー

 土屋は月曜日2時限。23号館515号室(内線3763)。島は火曜日4時限。23号館614号室(内線3802)。
メールによる質問は随時受け付けるが返信は「dotCanpus」を通じて受講生全員に送信する。
Email: kenshin@kanagawa-u.ac.jp, shima@kanagawa-u.ac.jp

使用書

杉本泰博、島健、谷本洋『電子回路の講義と演習』2版[日新出版株式会社]2003年
電子回路全般を理解するための入門書。平易に書かれている。

参考書

北野正雄『電子回路の基礎』2版[培風館]2000年
藤井信生『アナログ電子回路の基礎』別出版社からの再版[オーム社]2014年
『電子回路の基礎』は上級者向き。

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