授業科目

工作機械
Machine Tools

担当者

教授   中尾 陽一
前 火3

単位

2

到達目標

 本講義の達成目標は、受講生が(1)工作機械の特徴や用途を理解すること、(2)代表的な工作機械の用途を理解すること、(3)工作機械の特徴と機械設計(部品形状創成)との関係を理解すること、(4)工作機械の構造や駆動方式を理解すること、(5)高精度加工を実現するために必要な諸原理や考え方を理解することである。
 また,機械工学科のカリキュラムポリシーに従い,機械加工系科目や設計科目における学習内容との関連付け,さらには工作機械の設計に関する学習については,力学系科目とも関連付けながら体系的に学ぶ.このため,これらに関連する科目を履修していることが望ましい.

授業内容

 工作機械は自動車、航空機、先端医療機器、スマートフォン部品、その他のさまざまな産業用機械や部品を作るための機械である。したがって、「機械」を生み出すための「機械」という意味から、工作機械は「母なる機械」、あるいは「マザーマシン」とも呼ばれている。高い精度を有するさまざまな「機械」を作るためには、それよりも高い精度を有する高性能な工作機械が必要不可欠であり、そのため工作機械には非常に高い運動精度、形状精度、制御性能が求められている。「機械」の場合、ダメな親(工作機械)からは、優れた子(機械、機械部品)は生まれないのである。このため、工作機械には、多くの高度技術が集約されている。例えば、工作機械の設計においては、他の一般機械の設計よりも厳しい条件が課せられていて、これを満足するための設計方法が採られている。また、現在、製作されるほとんどの工作機械は、コンピュータにより制御されるCNC工作機械であり、これには多くの最先端メカトロニクス技術が用いられている。
 本講義では、工作機械の精密な動きを作り出す技術について講義する。この講義で扱う内容は、工作機械の開発設計に限らず、多くの機械システムの開発設計に役立つ内容である。また、機械部品の多くは、工作機械によって創成される。したがって、本講義で学ぶ工作機械に関する事項は、各種製品の開発や設計を行う技術者に必要不可欠な内容である。

授業計画

 各回の授業内容は次のように予定しているが、履修者の理解状況や時間の関係で変更する場合もある。
授業に際しては、予習として配布資料を読んでくること、すでに学んだ事柄で理解不足な箇所があれば、各自調べておくこと。
 また、復習としては、講義で説明された内容を配布資料や講義ノートを用いて再確認し、理解を深めておくこと。予復習として、毎回、4時間程度の自己学習を想定している。

1. シラバスの記載事項についての確認、工作機械の概要
 シラバスの確認、本講義の概要、工作機械とは、最新工作機械の動作、工作機械の定義
2. 工作機械の概要
 工作機械の形状創成運動、工作機械の用途、加工精度とは何か(加工の精密さと精確さの違い)、要求される加工精度、母性原理、加工精度の変遷
3. 代表的な工作機械と加工法
 旋盤の基本構造と加工動作、旋盤による代表的な加工法、フライス盤の基本構造と加工動作、フライス盤による代表的な加工法、多軸マシニングセンタによる加工、工作機械の複合化
4. 工作機械の案内装置
 案内面、各種工作機械の案内面、案内装置の運動精度(案内精度)、案内面の種類、滑り案内、転がり案内、きさげ仕上げ、3面すり合わせ
5. アッベの原理
 測長の場合、加工の場合、工作機械の案内面の構成とアッベの原理
6. 超精密工作機械の特徴と静圧軸受
 加工用途、要求性能、静圧軸受の構成と特徴、静圧軸受の基本性能
7. ナローガイド1
 簡略化モデルによる検討
8. ナローガイド2
 旋盤の案内面による検討
9. 送り駆動テーブルのモデル1
 送り駆動テーブルの基本構造、送り駆動のためのねじについて、摩擦角
10. 送り駆動テーブルのモデル2
 送り駆動のための軸トルクと所要動力、送り駆動系の効率
11. 工作機械の設計方式1:工作機械の設計は一般機械の設計と何が異なるか?
 一般機械の設計方式(応力基準の設計)
12. 工作機械の設計方式2:工作機械の設計は一般機械の設計と何が異なるか?
 工作機械の設計方式(変位基準の設計)、比剛性
13. 工作機械の熱特性 
 工作機械の温度変化について、熱容量、加工誤差への影響を抑制する方法
14. 試験及び解説/質疑応答

授業運営

 講義は、配布資料に沿って行う。さらに、配布資料に加えて板書、ビデオその他の視聴覚教材を用いる。

評価方法

 評価は定期試験(80%)により行う。また、理解度をチェックするために実施する課題、演習(20%)により評価する。工作機械の種類と加工法を知るとともに、高い加工精度を実現するために工作機械に採用されている要素技術や工作機械の設計原理、さらには高い運動・制御性能を実現するために用いられている諸技術を理解することを到達目標とする。

オフィスアワー

 随時、講義後、その他メールや研究室で質問を受け付けます。
 火曜日4限 nakao@kanagawa-u.ac.jp 12-39室

使用書

 書き込み式の資料を配布します。

参考書

 伊東誼、森脇俊道『工作機械工学』[コロナ社]

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