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 授業科目
 Course Title
国際経済学
International Economics 
 担当者
 Instructor
准教授 奥山 聡子  前学期 月曜日5時限/火曜日1時限
 単 位
 Credit
2

関連するディプロマポリシー Related Diploma Policy
国際的感性とコミュニケーション能力/International sensibilities and communication capabilities
時代の課題と社会の要請に応えた専門的知識と技能/Expert knowledge and skills to address the issues of the age and the demands of society
 
到達目標
 本講義では、受講生が以下の能力を会得できることを目標としている。
(1)国際金融取引の基礎理論を理解し、資本フローの経済的背景を説明することができるようになること
(2)外国為替取引の基礎理論を理解し、為替レート動向の背景にある経済的背景を説明できるようになること
(3)国際金融システムの歴史と現状を知り、現代の国際金融システムの潮流を大局的な視点で解釈できるようになること

(1)~(3)で得た知識を基に、新聞やテレビなどで国際金融や国際通貨制度に関する記事を目にしたとき、受講生が自分の力で論理的に考え、理解する力を身に付けられるようにすることが目標である。
 また、経済学部のカリキュラム・ポリシーに従い、国際経済系科目についても入門から応用まで、知識や専門的なものの見方を順を追って体系的に身につけられるようにカリキュラムを編成している。その中で、本講義は、ミクロ経済学の知識を前提に講義するため、先にミクロ経済学を履修していることが望ましい。また本講義は、国際金融論、貿易論等、国際経済系に関する各科目を学ぶための基礎を身につける役割を持つので、これらの科目を履修しようと計画している者は、できるだけこの科目を先に履修することが望ましい。また、後期におこなわれる国際経済学Ⅱは、国際経済学Ⅰと並び、国際経済学の基礎となる科目であるため、併せて受講することが望ましい。

 
授業内容
 国際経済学とは、国境を越えた経済取引を扱う分野である。経済取引は大きく2つの種類に分けられる。1つは「財・サービスの取引(貿易)」、もう1つは「お金の取引(国際金融取引)」である。さらに、国際経済取引では、各国で使用している通貨が異なるため、「通貨の取引(外国為替取引)」が必要となる。
 国際経済学Ⅰでは、この3つの取引の中で、「国際金融取引」と「外国為替取引」について学んでいく。国境を越えた経済取引のほとんどは、国際金融取引を伴う。そしてその多くが、外国為替取引を必要としている。本講義では、後掲の使用書に沿って、国際金融取引や外国為替取引の基礎となる理論や知識を学び、現代の国際金融システムが抱える課題を明らかにしていく。
 
授業計画
各回の講義内容は次のように予定しているが、時間の関係で若干前後する場合もある。受講生は、予習としてテキストの該当部分を予め読んでおくこと。また、復習として、講義内容に関連した新聞記事を読み、理論に当てはめて考察してみることで、より理解が深まるだろう。
なお、予習・復習合わせて各回あたり約4時間の自己学習を想定している。

1. ガイダンス/イントロダクション:グローバル化するもの・お金の動き (1章unit1)
ガイダンスでは、シラバスの記載事項について確認し、今後の学習の仕方、成績評価について説明する。
イントロダクションでは,国際金融論がどういう学問かを説明し、本講義の概要を理解する。さらに、国際金融取引の推移や取引形態の変化をみて、現在の国際金融情勢に関する基礎的知識を学ぶ。
2. 国際収支表の見方 (1章unit2)
 世界のお金の流れを知ることができる国際収支表の見方を学ぶ。国際収支表から国の経済状態を読み取る。
【予習】後掲使用書の第1章unit2を読み、国際収支表とは何か、国際収支表から読み取れること等についてまとめてみる。
【復習】日本の国際収支統計のデータにアクセスし,データをダウンロードしてグラフ化してみる。
3. 国際資本移動はなぜ起こるのか (1章unit3)
 各国の消費者の時間選好率や投資収益の違いが国際資本移動を引き起こすメカニズムを理解する。
【予習】後掲使用書の第1章unit3を読み、時間選好率や資本の限界生産力が貿易収支に与える影響についてまとめてみる。
【復習】教科書や配布資料にある練習問題を解いてみる。
4. 外国為替の基礎 (2章unit4,5)
 外国為替市場ではどういった取引が行われているか、取引を行う経済主体は誰かなど、外国為替市場について学ぶ。さらに、為替レートとは何か、為替レートにはどんな種類があるのかを知る。
【予習】後掲使用書の第2章unit4,5を読み、外国為替市場に関するキーワードや為替レートの種類についてまとめておく。
【復習】新聞をみて,外国為替市場についてどのようなデータがあるかを確認する。
5. 円高・円安と貿易収支 (2章unit6)
 円高・円安の意味を理解する。為替レートの変化が貿易収支に与える影響について学ぶ。
【予習】後掲使用書の第2章unit6を読み、貿易収支とは何か、貿易収支のどの要素が為替レートの影響を受けるのかを調べておく。
【復習】教科書や配布資料にある練習問題を解いてみる。
6. 世界の通貨制度 (2章unit7)
 変動相場制や固定相場制など世界で採用されている通貨制度について学ぶ。国際通貨制度の歴史を学び、通貨制度を考える上で重要な国際金融のトリレンマについて知る。
【予習】後掲使用書の第2章unit7を読み、様々な為替相場制度の名称とその内容についてまとめておく。さらに、国際金融のトリレンマとは何かを調べ、自分なりにまとめておく。
【復習】教科書や配布資料にある練習問題を解いてみる。
7. 購買力平価 (3章unit8,9)
 為替レートと物価の関係を表した理論である購買力平価について学ぶ。なぜ、購買力平価が成り立つと考えられているのか、購買力平価が成り立たない状況とは何かを考える。
【予習】後掲使用書の第3章unit8,9を読み、商品裁定取引、絶対的購買力平価、相対的購買力平価について内容をまとめておく。
【復習】教科書や配布資料にある練習問題を解いてみる。
8. 金利平価 (3章unit10)
 為替レートと金利の関係を表した理論である金利平価について学ぶ。なぜ金利平価が成り立つと考えられているのか、金利平価が成り立たない状況とは何かを考える。
【予習】後掲使用書の第3章unit10を読み、金利裁定取引とカバーなし金利平価について内容をまとめておく。
【復習】教科書や配布資料にある練習問題を解いてみる。
9. 為替レートの決定理論 (4章unit11)
 為替レートの決定理論学ぶ。まず始めに60年代に発展したフロー・アプローチを学び、その後、国際金融取引が盛んになった70年代以降に発展したアセット・アプローチを学ぶ。アセット・アプローチとして、ここではマネタリー・モデルを学ぶ。
【予習】後掲使用書の第4章unit11を読み、フロー・アプローチ、伸縮価格マネタリー・モデル、硬直価格マネタリー・モデルの前提条件やそこで扱われる変数について、違いをまとめておく。
【復習】教科書や配布資料にある練習問題を解いてみる。
10. 為替介入の方法と効果 (5章unit13)
 なぜ政府が為替レートを操作しようとするのか、その目的を考える。不胎化介入と非不胎化介入という2つの介入方法を理解する。為替介入の効果について考える。
【予習】後掲使用書の第5章unit13を読み、不胎化介入と非不胎化介入とで、介入後の通貨当局のバランスシートがどう違うかをまとめておく。
【復習】教科書や配布資料にある練習問題を解いてみる。
11. 為替介入とマクロ経済政策 (5章unit14,15)
 IS=LM分析を開放経済に拡張したマンデル=フレミング・モデルを解説する。そしてマンデル=フレミング・モデルを用いて、変動相場制度および固定相場制度下における財政政策および金融政策の効果について分析する。
【予習】後掲使用書の第5章unit14,15を読み、マンデル=フレミング・モデルの構造について、自分で実際に式を書きながら予習してみる。
【復習】教科書や配布資料にある練習問題を解いてみる。
12. 通貨危機 (6章unit16,17,18)
 国の通貨が短期間で大幅に下落する通貨危機について学ぶ。特に経済的ダメージの大きかった南米通貨危機とアジア通貨危機について知る。
【予習】後掲使用書の第6章unit16,17,18を読み、通貨危機とは何か、通貨危機が伝播する要因についてまとめておく。さらに、通貨危機を防ぐための国際金融制度についても調べておく。
【復習】教科書や配布資料にある練習問題を解いてみる。
13.世界金融危機(7章unit19,20,21)
 2008年の世界金融危機とは何であったのか。世界金融危機の震源国となったアメリカを中心に,危機発生のメカニズムを学ぶ。また,これに関連して,ドルの基軸通貨体制について考える。
【予習】後掲使用書の第7章unit19,20,21を読み、世界金融危機の概要についてまとめておく。
【復習】教科書や配布資料にある練習問題を解いてみる。
14. 国際金融の新しい課題 / まとめと質疑応答 (8章unit25)
 現在の国際通貨制度が抱える課題について考える。経常収支の不均衡が拡大するグローバル・インバランスの問題や、基軸通貨としてのドルについての問題について考える。
【予習】後掲使用書の第8章unit25を読み、グローバル・インバランスの問題、基軸通貨ドルの問題、IMFの在り方についてその内容をまとめ、自分なりの考えをまとめておく。
最後に本講義全体に係るまとめと質疑応答を行う。【予習】本講義全体を復習し、質問を考える。

 
授業運営
使用書(テキスト)に沿って講義形式で行う。
大学の基本方針に従いオンライン講義を実施する。

実施要領の詳細については5/7までにdotcampusに掲載するので、事前に資料をよく読んでおくこと。
 
評価方法
web小テスト50%、期末課題50%で評価する。
出欠は成績評価の対象としない。

※今後の状況次第では変更の可能性あり。その際はdotcampusで知らせるので、「お知らせ」はしっかりチェックすること。
 
オフィスアワー
大学への立ち入りが禁止されているため、質問はメールで受け付ける。
メールアドレス:ft101836ua@jindai.jp

Zoomを利用したオンライン講義がおこなわれている場合は、講義の最後に質問タイムを設ける。
 
使用書
橋本優子・小川英治・熊本方雄『国際金融論をつかむ』新版[有斐閣]2019
978-4-641-17728-4
参考書
藤井英次『コア・テキスト 国際金融論』第2版[新生社]2014

 
 
 
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