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 授業科目
 Course Title
経済史
Economic History 
 担当者
 Instructor
教授   松村 敏  前学期 月曜日3時限/月曜日4時限
 単 位
 Credit
2

関連するディプロマポリシー Related Diploma Policy
自立した良識ある市民としての判断力と実践力/Judgment and practical ability as an independent citizen of sound sense
国際的感性とコミュニケーション能力/International sensibilities and communication capabilities
時代の課題と社会の要請に応えた専門的知識と技能/Expert knowledge and skills to address the issues of the age and the demands of society
 
到達目標
 「経済史Ⅰ」は、主に1年生を対象にしており、また経済学科:現代経済専攻の学生にとっては専攻基本科目であり、いわば「経済史入門」という性格をもっている。そこでこの授業は、経済学部のカリキュラム・ポリシーに従い、細かい歴史的事実を詳しく紹介して受講生がそれを憶えることを目的とするのではなく、今日の経済学の基本的な概念を理解しながら、経済の歴史を通じて経済学的なものの考え方に慣れることを到達目標とし、またそれにより今日の日本経済や世界経済の歴史的な位置づけを学ぶことも目標とする。したがって高校までの歴史の授業などとは異なって、受講生は史実を憶えることに努力するのではなく、論理的に考えることに努力し慣れることが重要である。内容は、とくに経済学科の「経済入門」を踏まえたものとなる。
 
授業内容
 下記のテキストの内容に従って、順を追って解説する。通常の歴史の授業と異なり、古い時代から新しい時代へと順に歴史の流れを解説するスタイルはとらず、いくつかの大きな主題のもとに、古今東西の歴史の中から関係する事例を拾い出して,経済学の考え方のもとで新しい解釈の仕方を学ぶ。
なおこの授業は、教職課程「教科に関する科目」の「日本史及び外国史」等の科目でもある。その点を配慮して、基本的な歴史事項についての知識が身につくようにも配慮して授業を行う。
 
授業計画
 下記の授業計画は、ほぼテキストの目次どおりなので、予習として、テキストの該当頁をよく読んで不明の箇所を明らかにしておき、復習として再度テキストを読み、理解を深めてほしい。経済学の学習もスポーツと同じで繰り返しが重要である。
 また予備知識として、「経済入門」(経済学科用)程度の経済学理解が必要である。現代ビジネス学科や経済学部以外の学生は、経済学科用の「経済入門」のテキスト(『初めて学ぶ人のための経済入門』培風館、2010年刊)を読んで、予習・復習をしておくこと。
なお、予習・復習合わせて各回にあたり約4時間の自己学習を想定している。

1. 歴史の教訓、現在の相対化 なお最初に、シラバスの記載事項について確認する。【予習】教科書第1章第1節~第3節を読み、17世紀イギリス革命、ナポレオン戦争後のウィーン会議、第一次世界大戦後のパリ講和会議、終身雇用制度などについて理解を深めておくこと。
2. 実験室としての歴史 【予習】教科書第1章第4節を読み、貨幣残高、金融恐慌、自己実現的予想、情報の非対称性、比較優位原理などについて理解を深めておくこと。.
3. 歴史的経路依存性 【予習】教科書第1章第5節を読み、経路依存性ないし歴史的経路依存性、補完性、ネットワーク外部性、ナッシュ均衡、パレート優位・劣位などについて、理解を深めておくこと。
4. 経済成長とその測定 【予習】教科書第2章第1節を読み、GDP、経済成長、経済成長率とは何かについて理解を深めておくこと。
5. 新古典派成長理論、経済成長‐理論と現実【予習】教科書第2章第2節~第3節を読み、生産関数や人的資本とは何かについて、理解を深めておくこと。
6. 経済発展段階論 【予習】教科書第3章第1節を読み、カール・マルクスとはどういう人物か、生産様式、上部構造・下部構造、唯物史観、資本の本源的蓄積、イギリス農業史におけるエンクロージャーなどについて理解を深めておくこと。
7. 宗教と経済発展 【予習】教科書第3章第2節を読み、マックス・ウェーバーとはどういう人物か、プロテスタンティズム、キリスト教における予定説などについて理解を深めておくこと。
8. 経済的後進性仮説 【予習】教科書第3章第3節を読み、アレキサンダー・ガーシェンクロンとはどういう人物か、産業相互の補完性とは何かなどについて理解を深めておくこと。
9. 制度と経済発展(1)-ダグラス・ノースの問題提起、イギリス名誉革命の経済的インパクト 【予習】教科書第4章第1節~第2節を読み、経済学における効率性、取引コスト、国家による所有権の保護、イギリス名誉革命などについて理解を深めておくこと。
10. 制度と経済発展(2)-制度と経済発展 【予習】教科書第4章第3節を読み、経済学でいう制度とは何かについて、もう一度復習しておくこと。
11. 制度と経済発展(3)-比較歴史制度分析 【予習】教科書第4章第4節を読み、インセンティブ、ナッシュ均衡などの基本的な概念をもう一度復習し、自己拘束的とは何かについて理解を深めておくこと。
12. 市場経済の歴史【予習】教科書第5章第1節を読み、西洋における古代ギリシャ・ローマ時代以来の歴史の概観、日本における古代から近世の歴史の概観を復習し、また先物取引とは何かについて理解を深めておくこと。
13. 中世地中海商業の比較歴史制度分析 【予習】教科書第5章第2節を読み、エージェンシー関係、多角的懲罰とは何かについて理解を深めておくこと。
14. 近世日本における株仲間の役割 【予習】教科書第5章第3節を読み、相対済令、株仲間、天保の改革、市場の価格裁定機能について理解を深めておくこと。
なお、なかでもゲーム理論の初歩、および多角的懲罰戦略の意味をよく理解することが重要である。とくにゲームの戦略形(教科書、24頁)を示して、どのセルがナッシュ均衡かという問題を、レポートの1問として出す予定である。

各回とも、教科書の該当部分を2時間程度予習し、不明の箇所を明確にしたうえで、授業に臨むこと。
各回とも、授業後、再度教科書の該当部分を2時間程度復習し、不明の箇所が解消されたかを確認し、なお不明の部分がある場合は、教員に質問ないしメールで問い合わせること。
 
授業運営
 授業は、下記の教科書に沿って行う。この教科書は経済学の最新の動向をベースにしたユニークなものであり、経済学の初学者にとっては独習用としてはやや難しいと思われる。そこで授業では、教科書の各頁、各箇所を具体的に指示しながら平易に解説する。授業に参加せず「教科書があるから大丈夫」と思っていると、いざ試験の前になってチンプンカンプンということになりかねない。したがって必ず参加し、またそれほど高価な教科書ではないので、受講者は教科書を必ず授業に持参してほしい。
 なお教科書にでてくる数式や計量分析については授業では簡単に説明するが、飛ばしていただいてかまわない。
 
評価方法
 学期末レポートの成績で評価する。
 
オフィスアワー
 
 下記のアドレスへメールでも受け付ける。
 質問対応メールアドレス:matsus02@kanagawa-u.ac.jp
 
使用書
岡崎哲二『コア・テキスト経済史 増補版』[新世社]2016年


 
 
 
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