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 授業科目
 Course Title
環境会計論
Green Accounting
 担当者
 Instructor
講師   大森 明  後学期 金曜日2時限
 単 位
 Credit
2

関連するディプロマポリシー Related Diploma Policy
自立した良識ある市民としての判断力と実践力/Judgment and practical ability as an independent citizen of sound sense
国際的感性とコミュニケーション能力/International sensibilities and communication capabilities
時代の課題と社会の要請に応えた専門的知識と技能/Expert knowledge and skills to address the issues of the age and the demands of society
 
到達目標
 本講義では、以下の5点を到達目標とする。
(1)地球環境問題をはじめとするサステナビリティ課題と企業経営のかかわりについて説明できるようになる。
(2)企業における環境経営と環境会計(サステナビリティ経営とサステナビリティ会計)の理論的背景と考え方を説明できるようになる。
(3)環境会計(サステナビリティ会計)のさまざまなアプローチやツールを説明できるようになる。
(4)企業による環境経営と環境会計(サステナビリティ経営とサステナビリティ会計)の実践に対して自ら評価できるようになる。
 なお、当該科目では、環境問題やサステナビリティ課題に対する関心を有していることと、財務会計と管理会計に対する基礎的な知識を有していることが望ましい。

 
授業内容
 環境会計は、企業や政府などの組織による活動を、環境面と経済面の双方から測定・伝達し、組織の内部管理に役立てるマネジメントツールという側面と、関連する情報を組織外部のステークホルダーに開示するコミュニケーションツールという側面の双方を有している。また、一国や一地域の経済と環境とのかかわりを明らかにする環境会計の領域も存在する。なお、環境会計は会計学の応用領域であるため、受講生は、財務会計と管理会計の基礎的な知識を有することが望ましい。
 本講義では、多様な展開をみせている環境会計を包括的に取り上げるが、特に企業における環境会計を対象として、その枠組み、理論および実践について講義する。具体的には、環境会計の外部報告の側面については、環境省から公表されている「環境会計ガイドライン」と実際に企業が公表している環境報告書(CSR報告書やサステイナビリティ報告書などとも呼ばれる)を活用する。特に最近では、自然資本会計や非財務情報開示へと展開しているので、自然資本会計や統合報告についても取り上げる。また、環境会計の内部報告の側面については、経済産業省が公表した『環境管理会計ワークブック』に即しながら、日本で普及しつつあるマテリアルフローコスト会計に特に着目して、その理論、技法および実践を講義する。
 授業では、企業による環境経営と環境会計の実践を常に意識してもらうため、受講生には各自サステナビリティ報告書や統合報告書を入手し、毎回の授業において参照してもらう予定である(具体的には講義の際に指示する)。
 
授業計画
 毎回の講義内容は以下のような手順を想定しているが、受講生の反応等を考慮しながら修正することもある(毎回のカッコ内は参考書の該当個所である)。 予習としては、講義の中で次週に学ぶテーマを知らせるので、当該テーマについてウェブサイトなどで調べるとともに、当該テーマに関して分かったことを紙などに書いてまとめておき、さらに疑問点も抽出しておくこと。講義はZOOMでリアルタイムで行うが、各々の学生が調べてきた事項を開陳しあい、学生間でディスカッションする。併せて、学生からの疑問点を集約し、当該疑問点に対する考察を加えていく。
 復習では、毎回課す宿題を解くことはもちろん、期間中数回行う学生によるプレゼンテーションに向けた資料を作成することが重要となる。
 なお、予習・復習合わせて各回あたり約4時間の自己学習を想定しているが、プレゼンテーション前に集中的に予習と復習を行うことになる場合もある。

第1回 ガイダンスおよび環境会計のフレームワーク:シラバスの確認。本講義の目的や進め方を説明し、会計学において環境会計が取り扱う領域を説明する。特に本講義でのキーワードであるサステナビリティについて、受講生との議論を通じて概略を明らかにしたい。
第2回 サステナビリティ経営の進展:企業におけるサステナビリティ経営が歴史的にどのように展開してきたか、また、サステナビリティを巡る政策が、日・米・欧においてどのように展開されてきたかということを踏まえ、企業におけるサステナビリティ経営について学生と議論する。
第3回 環境経営の進展と会計:サステナビリティの一領域である環境に焦点を当て、環境保全を志向する企業経営(環境経営)の展開状況を学び、企業におけるケースを素材として議論する。
第4回 環境会計の発展:1970年代を中心に展開した企業社会会計における4つの類型を学び、それぞれの類型が現在の環境会計、さらにはサステナビリティ会計へと展開していることを学ぶ。企業による環境会計およびサステナビリティ会計情報を使って、議論する。
第5回 企業のサステナビリティ経営に関する学生によるプレゼンテーション
第6回 サステナビリティ情報の開示:経済、環境および社会の3領域に及ぶサステナビリティ情報がどのように開示されているかという現状を学び、問題点などについて議論する。
第7回 企業のサステナビリティ報告書に関する学生によるプレゼンテーション
第8回 環境省の環境会計:多くの日本企業が参考にしている環境省による「環境会計ガイドライン」の内容を学ぶ。実際の開示例を取り上げ、その利点と課題を議論する。
第9回 環境会計情報に関する学生によるプレゼンテーション
第10回 環境会計から自然資本会計へ:環境会計からサステナビリティ会計への展開を踏まえ、経済と社会の領域も包摂したNSCによるサステナビリティ会計のガイドラインを学ぶとともに、開示例を取り上げ、学生とともにその利点と課題を議論する。また、統合報告という国際的動向が芽生えていることについても取り上げる。
第11回 自然資本会計のケースに関する学生によるプレゼンテーション
第12回 気候変動の会計:「気候関連財務情報開示タスクフォース」(TCFD)勧告とそれに基づく企業による情報開示について学ぶ。この回では、近年賛同企業が増大しているTCFDの考え方と、当該勧告に即した情報開示の現状を理解し、気候関連情報開示の在り方を議論する。
第13回 TCFDに準拠したケースに関する学生によるプレゼンテーション
第14回 マテリアルフローコスト会計:環境管理会計ツールの中でもっとも展開しているマテリアルフローコスト会計(MFCA)を取り上げる。MFCAはISO14051として国際標準化もなされていることから、MFCAの構造を学ぶとともに、企業における導入例やMFCAの改善策の提案などを取り上げ、学生とともに議論する。

 
授業運営
 ZOOMによるリアルタイム配信での授業を行う。私が資料を使って説明する形で進めるものの、適宜、議論する課題を提示するので、ZOOMのブレイクアウトセッション機能を使って当該課題に対して学生グループによる議論をしてもらい、適宜発表してもらう。また、重要なトピックについては、学生グループによるプレゼンテーションも取り入れる。ZOOMを用いるが、なるべく双方向の授業となることを心がけたいので、受講生も積極的に発言するように努力されたい。毎回ではないが、複数回宿題を課すので、それに対しても積極的に取り組んでもらいたい。
 遠隔授業という状況ではあるが、明るく闊達な雰囲気で授業が展開できれば幸いである。

 
評価方法
授業で課す課題(プレゼンテーションや宿題)(70%)、レポート試験(30%)で評価する。
 
オフィスアワー
非常勤であるため設けていない。講義の際にメールアドレスを教えるので、メールにてコンタクトされたい。
 
使用書
教科書は使用しないが、できるだけ参考書を用意されたい。
参考書
河野正男、八木裕之、千葉貴律(編)『サステナビリティ社会のための生態会計入門』[森山書店]2012
教科書を使用しないので参考書を用意するのが望ましい。
 
 
 
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