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 授業科目
 Course Title
行政法
Administrative Law 
 担当者
 Instructor
教授   安達 和志  後学期 水曜日1時限
 単 位
 Credit
2

関連するディプロマポリシー Related Diploma Policy
時代の課題と社会の要請に応えた専門的知識と技能/Expert knowledge and skills to address the issues of the age and the demands of society
 
到達目標
 法学部のカリキュラム・ポリシーに従い、受講生が、行政救済法の分野における現行法上の主要な制度的しくみとそれらの相互関係を大まかに把握できることを目標とする。全体を通じて、民事法と異なる行政法的な思考方法を習得するものとする。
 
授業内容
 この講義は、不当・違法な行政活動に対する国民の権利・法益の救済を図る行政救済法の分野を主な対象とする。ほぼ全ての行政分野に共通に適用される現行法として、「行政不服審査法」、「行政事件訴訟法」、「国家賠償法」という3つの法律があり、前2者は“行政争訟2法”、3者を合わせて“行政救済3法”と呼ばれている。この行政救済3法に加えて、適法な行政活動にともなう国民の利害調整のしくみである損失補償を扱う。
 
授業計画
 講義は概ね教科書の内容に沿って進めていくが、毎回の授業ごとに、事前に教科書の該当頁数を付記したレジュメ・資料をdot CampusおよびMicrosoft Teamsに掲出する。各回共通の予習(1回あたり3時間程度)として、教科書の該当頁を読み、レジュメに参考判例が挙げられている場合はその判例にも目を通すようにしていただきたい。また、復習(1回あたり1時間程度)としては、講義ノートを作成し、教科書・参考書等で内容を適宜補充して整理しておくことが望ましい。(各回の指示は授業内で行う)
 各回の講義内容は次のように予定している。ただし、本年は授業が12週の間に各週1回(計12回)となるため、第3回と第12回の講義分については「補講」として、後日、資料配布する。

1 行政争訟ー司法国家の原理
 (1)ガイダンス―この授業の進め方
 (2)行政争訟制度の沿革と意義ー憲法原理の転換
 (3)行政権に対する独立第三者的裁判体制
 【予習】憲法上の司法権独立の原理について調べておこう。
2 行政不服審査法(1) ー不服申立てと行政不服審査
 (1)苦情処理と行政不服審査
 (2)不服審査のしくみと組織
 【予習】一部の自治体が制度化している行政オンブズマンの機能・役割について、調べてみよう。
3 行政不服審査法(2) ー審査請求人の手続的権利
 (1)教示の制度
 (2)審理手続の対審的構造
 【予習】審査請求の審理手続の流れを図にまとめてみよう。
4 行政事件訴訟法(1) ー総論
 (1)行政事件訴訟法とその改正
 (2)法定抗告訴訟とその種別
 【予習】民衆訴訟や機関訴訟の法定例としてどのようなものがあるか、調べてみよう。
5 行政事件訴訟法(2) ー取消訴訟と行政処分の効力
 (1)行政処分の諸効力
 (2)行政処分の公定力
 【予習】行政処分取消訴訟の特色について調べてみよう。
6 行政事件訴訟法(3) ー取消訴訟の対象
 (1)取消訴訟と行政不服審査の関係
 (2)取消訴訟の対象となる「行政処分」
 【予習】「行政処分」を判別する手がかりとなる法律の規定について、調べてみよう。
7 行政事件訴訟法(4) ー取消訴訟の訴えの利益
 (1)原告適格
 (2)狭義の訴えの利益
 【予習】第三者の原告適格についてどんな判例があるか、整理しておこう。
8 行政事件訴訟法(5) ー裁量処分の司法審査基準
 (1)行政処分の瑕疵
 (2)裁量処分の司法審査基準
 【予習】裁量の幅が広い行政処分について、裁判所はいかにして実効的な審査ができるか考えてみよう。
9 行政事件訴訟法(6) ー不作為訴訟と義務付け訴訟
 (1)不作為違法確認訴訟と遅延国家賠償訴訟
 (2)義務付け訴訟
 【予習】国民の権利救済のために義務付け訴訟がなぜ必要か、考えてみよう。
10 行政事件訴訟法(7) ー当事者訴訟と差止訴訟
 (1)当事者訴訟
 (2)差止訴訟
 【予習】実質的当事者訴訟と差止訴訟について、訴訟要件、判決の効力、仮救済の可否をそれぞれ整理してみよう。
11 国家賠償法(1) ー「公権力の行使」と国家賠償責任
 (1)公権力賠償責任の性質と根拠
 (2)国賠法1条の責任要件とその範囲
 【予習】民法上の不法行為責任要件について、調べておこう。
12 国家賠償法(2) -行政の危険防止責任
 (1)公権力の不行使と国家賠償責任
 (2)行政便宜主義と裁量権収縮論
 【予習】薬害・食品公害事件にどんなものがあるか、調べてみよう。
13 国家賠償法(3) -公の営造物の設置管理と国家賠償責任
 (1)国賠法2条の意義と特質
 (2)国賠法2条の適用範囲とその拡大
 【予習】主要な道路事故や水害事件にどんなものがあるか、調べてみよう。
14 損失補償
 (1)損失補償の意義と根拠
 (2)損失補償の範囲と内容
 【予習】損失補償制度の存在意義、憲法上の根拠について、考えてみよう。
 
授業運営
 基本的に資料配布型で行う。授業では、dot CampusまたはMicrosoft Teamsに掲出されたレジュメ・資料をプリントアウトし、教科書と併せて熟読すること。ノートを用意し、重要な事がらはノートに書き留める姿勢が重要である。また、この講義では関係法律の条文を引用することがしばしばあるので、講義内容をより深く理解するため、六法を必ず手元に置き、その場で関係条文を確認するようにしていただきたい。
 
評価方法
 成績評価は、小テスト(10回を予定)および学期末のレポートによる。出席は評価対象としない。
 
オフィスアワー
 dot CampusおよびMicrosoft Teamsで質問等を受け付ける。
 
使用書
安達和志・嘉藤亮ほか『ホーンブック行政法』[北樹出版]2016年
978-4-7793-0505-4
参考書
宇賀克也・交告尚史・山本隆司編『行政判例百選Ⅰ・Ⅱ』第7版[有斐閣(別冊ジュリスト)]2017年
髙木光・宇賀克也編『行政法の争点』[有斐閣(ジュリスト増刊)]2014年

 
 
 
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