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 授業科目
 Course Title
法学部基礎演習
Basic Seminar  on Legal and Political Science Studies
 担当者
 Instructor
講師   長島 光一  後学期 水曜日3時限
 単 位
 Credit
2

関連するディプロマポリシー Related Diploma Policy
自立した良識ある市民としての判断力と実践力/Judgment and practical ability as an independent citizen of sound sense
時代の課題と社会の要請に応えた専門的知識と技能/Expert knowledge and skills to address the issues of the age and the demands of society
 
到達目標 Target to be Reached
・各法分野の考え方を理解するとともに、法律学の全体像を把握する。
・法情報調査の能力を身につける。
・判例を通じて浮かび上がってくる社会問題に対して、自分の意見を持つ。
・社会問題に対して、物事を客観的に見る力を養う。

 
授業内容 Course Content
本演習は、法学の各分野の考え方を理解し、法学の全体像を把握するとともに、議論を通じて法的思考能力を養成するものです。そのために、様々な分野の判例を読み、各訴訟の当事者の立場になって議論をします。その議論の中で、法学の各分野の考え方の違いを理解し、これから法律専門科目を受講していく際の学修に役立てていただければと思います。
 
授業計画 Course Planning
【第1回】 ガイダンス・・・自己紹介をしたうえで、各自の学習状態を確認したうえで、15回で勉強する内容を概説します。
【第2回】 法情報調査の仕方・・・判例を調べるうえで必要な知識と参照すべき文献を紹介し、図書館での探し方を教示します。
【第3回】 法教育体験・・・ 議論に慣れるために、一般向けに開発された法教育教材を利用して、討論を行います。
【第4回】 憲法の判例・・・人権及び統治の範囲からセレクトして、判例報告をしてもらい、全体で討論します。
【第5回】 行政法の判例・・・行政作用法及び行政救済法の範囲からセレクトして、判例報告をしてもらい、全体で討論します。
【第6回】 民法の判例・・・財産法及び家族法の範囲からセレクトして、判例報告をしてもらい、全体で討論します。
【第7回】 刑法の判例・・・刑法総論及び刑法各論の範囲からセレクトして、判例報告をしてもらい、全体で討論します。
【第8回】 労働法の判例・・・労働基準法の範囲からセレクトして、判例報告をしてもらい、全体で討論します。
【第9回】 民事訴訟法の判例・・・訴え・証拠・判決効等からセレクトして、判例報告をしてもらい、全体で討論します。
【第10回】刑事訴訟法の判例・・・訴え・審理・再審等からセレクトして、判例報告をしてもらい、全体で討論します。
【第11回】環境法の判例・・・公害や自然保護、景観等からセレクトして、原告と被告に分かれて、全体で討論します。
【第12回】医事法の判例・・・医療過誤や生殖補助医療等からセレクトして、原告と被告に分かれて、全体で討論します。
【第13回】知的財産法の判例・・・著作権や特許権等からセレクトして、原告と被告に分かれて、全体で討論します。
【第14回】情報法の判例・・・ネット炎上やAIによる事故等、将来起こりうる事例を提示して、原告と被告に分かれて、全体で討論します。そして、これまでの判例の検討を通じて学んだことを相互検討し、各分野の基本的な考え方を整理し、全体をまとめます。
 
授業運営 Course Management
最初数回はレクチャーと全体での討論の形式で進めます。
そのあと、受講生が分担をして、事前に調べ、考え、理解した内容を発表する形式で進めます。
参加人数にもよりますが、判例については、最初、個別に事案とそれに対する裁判所の判断を報告してもらい、全体で議論をします。判例の読み方をある程度理解した後、全体で訴えた側・訴えられた側の双方の立場に分かれて、それぞれ報告してもらいます。各回、受講生の報告をもとにして、全体で議論を進めます。したがって、授業計画にある分野以外で、受講生の関心のある分野がある場合(例:スポーツ法、国際法)、入れ替える場合もあります。 
議論をするためには、担当者はもちろんのこと、受講生全員が事前に判例を読んでくる必要があります。「正しいか間違っているか」ではなく、「自分はどう思うか」が大切ですので、恥ずかしがらずに、思ったことを言い合えるような環境作りにご協力ください。
なお、判例については、最初に報告担当の回を割り振った後、討論しやすいと思われる幾つかの判例の候補を示しますので、その中から報告担当者が選ぶことにします。

予習:発表時の報告準備のほか、各回、全員が事前に指定された判例を読んでおくことが必要となります。
復習:各回の議論を踏まえて、再度判例を精読するほか、判例評釈にあたることで、理解と考察が深まります。
 
評価方法 Evaluation Method
発表内容をはじめ授業態度によって総合的に評価します。
(当然のことですが、欠席が多かったり、課題をやらなかった場合には大幅な減点となります。)
 
オフィスアワー Office Hour (s)
授業の前後のほか、メールでも随時質問を受け付けます。
遠慮なくどうぞ。


 

参考書 Book (s) for Reference
奥田進一ほか『法学入門』[成文堂]2017年
福本知行『法令・判例学習のツボとコツ』[法律文化社]2016年
君塚正臣編『法学部生のための選択科目ガイドブック』[ミネルヴァ書房]2011年

 
 
 
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