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 授業科目 民法(親族・相続)
Civil Law(Succession Law・Family Law)
 担当者
教授   丸山 茂  後学期 月曜日1時限
 単 位 2

到達目標
受講生が用語法の確認という基礎的な作業によって基本概念を理解し、その後体系的知識を習得したうえで、事例を通して問題発見能力、法的思考力および解決能力の育成することを目的とする。
 
授業内容
民法(親族)では、婚姻、親子、親族を扱う親族法を対象とする。講義は、家族の成立、家族の関係、家族の解消といった構成に従って行う。
民法(相続)では、人の死を通して財産権がどのように移転していくかを考える相続法を対象とする。講義は、相続人の確定、相続財産の確定、遺産分割、遺産の管理、遺言について順次検討していく。
 
授業計画
第1回 家族法とはどういうものか
 1 家族法の対象
 2 多元化する現代家族と家族法の変化-家制度から近代家族そして多元的家族                     
 4 近代市民法としての家族法・民法としての家族法-財産法との同一性と異質性
 5 家族法と財産法の関係に関する諸理論
 6 家事事件処理の特殊性            
第2回 家族の成立Ⅰ-身分行為意思と婚姻の成立要件
 1 法律行為としての身分行為・身分行為の形式的要件-届出と戸籍制度
 2 身分行為と届出-形成的身分行為の要件と無効・取消 
 3 婚姻・離婚・養子縁組・離縁における身分行為意思
 4 身分行為の転換と追認
 5 制度としての婚姻とそのゆらぎ
 6 婚姻の形式的要件
 7 婚姻の実質的要件-婚姻適齢・重婚・再婚禁止期間・近親婚の禁止
第3回 家族の成立Ⅲ-親子
 1 制度としての親子-排他的親子観から複合的親性へ
 2 嫡出子とはなにか-嫡出性の推定とその限界・準正
 3 嫡出否認の訴え・父を定める訴え・親子関係確認の訴え
 4 認知とその効果
 5 現代の科学と親子関係
 6 養子制度の多様な目的-契約型から宣言型へ
 7 普通養子
 8 特別養子
第4回 家族の関係Ⅰ-婚姻の効果
 1 夫婦間の権利義務の特質-制度的性質・相互性・自発性
 2 貞操義務・同居協力扶助義務・夫婦間の契約取消権
 3 婚姻費用の分担義務
 4 日常家事債務の連帯責任
 5 夫婦財産制の諸問題-別産性と共通性・家事労働の評価
第5回 家族の関係Ⅱ-親子関係・扶養
 1 子どもの氏
 2 親権の性質
 3 身上監護権-子の奪い合いと子の引渡請求・児童虐待防止法
 4 財産管理権-利益相反行為
 5 非親権者の法的地位
 6 扶養の意義-公的扶助と私的扶養
 7 扶養の法的性質-扶養請求権の性質・生活保持義務と生活扶助義務
 8 高齢化社会と扶養-引き取り扶養・介護保険制度・後見制度
第6回 家族の解消Ⅰ-離婚
 1 死亡解消-自然死の認定・失踪宣告・認定死亡
 2 離婚制度の歴史-破綻主義の現代的意義
 3 離婚の方式
 4 協議離婚制度の問題点と立法の動向-離婚の非ドラマ化と立法
 5 裁判離婚と770条の法的構造
 6 離婚原因-不貞行為・悪意の遺棄・三年以上の生死不明・精神病離婚
 7 有責配偶者の離婚請求
第7回 家族の解消Ⅱ-離婚の効果・離縁
 1 子どもの処遇-親権監護権の指定・面接交渉権・養育費
 2 財産分与
 3 離婚給付の履行確保
 4 離縁

第8回 相続とは何か
 1 死者の「遺産」の承継
 2 明治民法の家督相続制
 3 相続の機能
 4 相続の根拠
 5 現代相続の基本原理
 6 「死」の概念
 7 相続の観念性
第9回 遺産共有
 1 遺産共有の性質・効果と遺産の管理
 2 相続回復請求権
   ・相続回復請求権の性質
   ・相続回復請求権の行使
   ・相続回復請求権の消滅
   ・表見相続人と取引した第三者
 3 遺産確認の訴え
第10回 相続人の確定
 1 法定相続人・代襲相続
 2 包括受遺者と指定相続人
 3 相続の承認と放棄
 4 相続欠格事由
 5 相続人の廃除
 6 胎児の相続能力
 7 同時死亡の推定
 8 相続人の不存在
第11回 相続財産の確定Ⅰ-「一身専属性」
 1 占有権
 2 生命保険金請求権
 3 死亡退職金の受給権
 4 無権代理人の法的地位
 5 債権債務
 6 借家権
第12回 相続財産の確定Ⅱ-相続関係と第三者
 1 相続分の譲渡
 2 共有持分の譲渡と第三者の地位
 3 相続・遺産分割・放棄・指定相続分・遺贈と登記
 4 相続人の債権者による代位・取消
第13回 遺産の分割-具体的相続分の算定・遺産分割方法
 1 法定相続分と指定相続分
 2 特別受益
 3 寄与分
 4 綜合分割主義
 5 協議分割と裁判分割
 6 遺産評価の方法・遺産評価の基準時
 7 相続開始後に生じた財産(果実・収益・代償財産)の扱い
第14回 遺言相続-遺言の方法・遺言による財産処分・遺言の執行
 1 遺言の能力
 2 遺言の方式
 3 遺言の撤回
 4 遺言事項
 5 遺贈
 6 遺言による寄付行為
 7 「相続させる」遺言
 8 死因贈与
 9 遺言信託
 10 遺言執行の手続
 11 遺言執行者
 12 遺言執行の費用
第15回 遺産の分割Ⅲ-遺留分と遺留分の減殺
 1 遺留分の性質
 2 遺留分の算定
 3 遺留分の減殺


 
授業運営
受講者は、その日のテーマについて基本書を読み、あらかじめWEB上に示されたケースと論究課題について予習をしていることを前提に、基礎的知識の確認から、事例の中の問題発見、論理的展開力等を対話形式や小テストを通して習得する。
 
評価方法
試験による評価を80%、出席、討論の内容、レポート、小テストなどの平常点を20%。
 
オフィスアワー
適宜質問を受け付ける。
 
使用書
二宮修平『家族法-第4版』第4版[新生社(新法学ライブラリー-9)]2013年

参考書
大村敦志『家族法』第3版[有斐閣]2010年
有地亨『家族法概論』新版補訂版[法律文化社]2006年
『家族法判例百選』第7版[有斐閣]

 
 
 
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