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 授業科目 公法(行政救済法)
Public Law(Administrative Remedy Law)
 担当者
教授   安達 和志  前学期 火曜日3時限
 単 位 2

到達目標
 受講者は行政救済法の分野における現行法上の主要な制度的しくみとそれらの相互関係を大まかに把握する。全体を通じて、民事法と異なる行政法的な法解釈・思考方法を習得するものとする。
 
授業内容
 本講義は、不当・違法な行政活動に対する国民の権利・法益の救済をはかる行政救済法の分野を主な対象とする。すべての行政分野に共通に適用される現行法として、「行政不服審査法」、「行政事件訴訟法」、「国家賠償法」という3つの法律があり、前2者は“行政争訟2法”、3者を合わせて“行政救済3法”と呼ばれている。この行政救済3法に加えて、適法な行政活動にともなう国民の利害調整のしくみである損失補償を扱う。
 
授業計画
第1回 行政争訟―司法国家の原理
 1 行政争訟制度の沿革と意義―憲法原理の転換
 2 行政権に対する独立第三者的裁判の体制

第2回 不服申立てと行政不服審査
 1 苦情処理と行政不服審査
 2 不服審査のしくみと組織―改正行政不服審査法

第3回 不服申立人の手続的権利
 1 教示の制度
 2 審理手続の対審的構造

第4回 行政事件訴訟
 1 行政事件訴訟法とその改正の概要
 2 法定抗告訴訟とその種別

第5回 取消訴訟と行政処分の効力
 1 行政処分の諸効力
 2 行政処分の公定力 

第6回 取消訴訟の対象
 1 取消訴訟と行政不服審査の関係
 2 取消訴訟の対象となる「行政処分」

第7回 取消訴訟の訴えの利益
 1 原告適格
 2 訴えの利益(狭義)

第8回 裁量処分の司法審査基準
 1 行政処分の瑕疵
 2 裁量処分の司法審査基準

第9回 不作為訴訟と義務付け訴訟
 1 不作為違法確認訴訟と遅延国家賠償訴訟
 2 義務付け訴訟

第10回 当事者訴訟と差止訴訟
 1 当事者訴訟
 2 差止訴訟

第11回 住民訴訟
 1 住民訴訟のしくみ
 2 住民訴訟をめぐる法律問題

第12回 「公権力の行使」と国家賠償責任
 1 公権力賠償責任の性質と根拠
 2 国賠法1条の責任要件とその範囲

第13回 行政の危険防止責任
 1 公権力の不行使と国家賠償責任
 2 行政便宜主義と裁量権収縮論

第14回 公の営造物の設置管理と国家賠償責任
 1 国賠法2条の意義と特質
 2 国賠法2条の適用範囲とその拡大

第15回 損失補償
 1 損失補償の意義と根拠
 2 損失補償の範囲と内容
 
授業運営
 各回ごとに事前に提示される「講義情報」にしたがって予習していることを前提に、受講者との質疑応答を適宜交えながら授業を進めていく。復習については、授業時に配布したレジュメ・資料を参考にしながら、各自の授業ノートを整理し、関連判例の要点を摘示しておくことが望ましい。
 
評価方法
 平常評価(小テスト、授業時の質疑応答などによる)30%、期末の定期試験による評価70%の割合で、成績評価を行う。
 
オフィスアワー
 曜日・時間は別途掲示する。
 
使用書
椎名慎太郎ほか『ホーンブック新行政法』3改訂版[北樹出版]2010年
宇賀克也『行政法概説』第4版[有斐閣]2013年

参考書
『行政判例百選』第6版[有斐閣(別冊ジュリスト)]2012年

 
 
 
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