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 授業科目 公法(行政法総論)
Public Law(General Administrative Law)
 担当者
教授   安達 和志  後学期 火曜日3時限
 単 位 2

到達目標
 受講者は行政法の総論的な体系の全体像を大まかに把握するとともに、行政活動が具体的に展開されていく手続的段階にそくして、個々の行政活動の法的意味と問題の所在を理解する。全体を通じて、民事法と異なる行政法的な法解釈・思考方法を習得するものとする。
 
授業内容
 行政法総論(行政救済法を除く。)の分野について、関連する憲法上の論点を組み入れながら講義する。
 行政作用を規律する多種多様な法律の中でも、「行政手続法」(1994年施行)は、行政処分、行政指導、行政立法等についてその一般手続的なルールを整備し、利害関係国民の手続参加権を保障することによって、行政権行使の手続面からの公正・透明化を図る画期的立法である。同法の成立は、わが国が行政法制のレベルでようやく先進国に仲間入りできるようになったことを意味する。21世紀に入った現代行政においては、生存権的な人権保障を実質化する給付行政や企業規制行政の積極的な展開とともに、それらの手続法的規律がいっそう重要視されつつある。このことにかんがみ、講義全体を通して、こうした時代的要請にそくした行政法の現代化の課題を考えていく。
 
授業計画
第1回 行政法の基本原理1
 1 民主主義と責任行政
 2 情報公開と説明責任

第2回 行政法の基本原理2
 1 法治主義と人権保障
 2 「法律による行政」と「法の支配」

第3回 行政法の基本原理3
 1 生存権保障と積極行政
 2 地方分権と住民自治

第4回 国の法律と自治体条例の関係
 1 条例制定権の範囲と限界
 2 法律と条例の抵触問題

第5回 行政組織と行政法
 1 行政組織法の基本原理
 2 行政組織法上の基本概念

第6回 行政法と現代諸法
 1 権力行政とその手続的規律
 2 非権力的行政の種別と特色

第7回 行政手続1―憲法と行手法
 1 憲法上の適正手続
 2 行政手続法の制定

第8回 行政手続2―行政立法
 1 行政立法―行政による基準設定
 2 行政立法制定前の意見公募手続

第9回 行政手続3―申請に対する処分
 1 許認可等の申請手続
 2 申請諾否処分の決定手続

第10回 行政手続4―不利益処分
 1 「不利益処分」の事前手続
 2 聴聞の公正・透明手続

第11回 行政的規制の諸類型
 1 命令的行政処分と形成的行政処分
 2 行政的規制の方法とその種別

第12回 行政処分の取消しと撤回
 1 行政処分の職権取消しと撤回の区別
 2 行政処分の取消・撤回権制限の法理

第13回 行政指導
 1 行政指導の意義と特質
 2 行政指導の手続的ルール

第14回 行政調査と即時執行
 1 行政上の立入調査とその種別
 2 即時執行と憲法上の令状主義

第15回 行政上の義務履行確保
 1 行政強制執行
 2 行政罰その他の間接的手法
 
授業運営
 各回ごとに事前に提示される「講義情報」にしたがって予習していることを前提に、受講者との質疑応答を適宜交えながら授業を進めていく。復習については、授業時に配布したレジュメ・資料を参考にしながら、各自の授業ノートを整理し、関連判例の要点を摘示しておくことが望ましい。
 
評価方法
 平常評価(小テスト、授業時の質疑応答などによる)30%、期末の定期試験による評価70%の割合で、成績評価を行う。なお、再試験を受験した者については、平常評価(30%)に再試験の成績(70%)を合算して最終評価とする(ただし、60点を上限とする)。
 
オフィスアワー
 曜日・時間は別途掲示する。
 
使用書
椎名慎太郎ほか『ホーンブック新行政法』3改訂版[北樹出版]2010年
宇賀克也『行政法概説Ⅰ』第5版[有斐閣]2013年

参考書
小早川・宇賀・交告編『行政判例百選』第6版[有斐閣(別冊ジュリスト)]2012年

 
 
 
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