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 授業科目
 Course Title
情報統計力学特論
Statistical Mechanics of Information
 担当者
 Instructor
准教授 佐々木 志剛  後学期 月曜日4時限
 単 位
 Credit
2

関連するディプロマポリシー Related Diploma Policy
時代の課題と社会の要請に応えた専門的知識と技能/Expert knowledge and skills to address the issues of the age and the demands of society
 
到達目標 Target to be Reached
本講義の到達目標は、受講者が下記の事項に関して理解し、情報統計力学に関する基礎知識を習得することである。
①情報科学と統計力学の関連
②平均場理論
③レプリカ法
④ベイズの定理
⑤マルコフ連鎖モンテカルロ法

 
授業内容 Course Content
統計力学とは、多数の原子・分子から成る多体系の性質を統計処理により明らかにする学問であるが、そこで培われた統計処理のテクニックは非常に汎用性が高く、近年多くの分野においてその適用が進んでいる。特に情報科学の分野では、画像修復問題・誤り訂正符号問題・ニューラルネットワークなど、様々な問題への適用が行われており、情報統計力学と呼ばれる1つの大きな分野を形成しつつある。本講義ではこの情報統計力学の基礎について学ぶ。最初に統計力学とその代表的統計処理法である平均場理論について学び、次に情報統計力学における代表的統計処理法であるレプリカ法を学ぶ。そしてこのレプリカ法が、情報科学の問題へどのように適用されているかについて学ぶ。その他にも、ベイズの定理、マルコフ連鎖モンテカルロ法などについても学ぶ。本講義を理解するために必要な数学についても、その都度学ぶ。
 
授業計画 Course Planning
講義資料の一部はドットキャンパスで配布するので、予習として講義前に予め読んでおき、①資料を読むだけではよくわからない箇所を明確にする、②途中計算をできる範囲でフォローする、ということを行うこと。そうすることで講義内容の理解が深まる。
復習としては、最初に、予習の際によくわからなかった点が解消できたかどうかを確認し、解消できていない場合は、講義資料を見直したり質問をすることで解消すること。また、途中計算も細かくフォローすること。その他に、復習の一環として小課題を適宜課す。
これらの予習・復習を合わせて、各回あたり約4時間の自己学習を想定している。
尚、第1回目の講義ではシラバスの記載事項についての確認も行う。

1. はじめに:情報統計力学とは
情報統計力学とはどういう学問かについて学ぶ。
2. 統計力学の基礎
統計力学とは多数の原子・分子から成る多体系の性質を統計処理により明らかにする学問であり、その主な計算量は分配関数であることを学ぶ。
3. 平均場理論①:揺らぎの高次項を無視する方法
揺らぎの高次項を無視することで分配関数の計算が可能となり、これが平均場理論に対応することを学ぶ。
4. 平均場理論②:無限レンジモデルを扱う方法
無限レンジモデルでは分配関数の計算が厳密に可能であり、これが揺らぎの高次項を無視した平均場理論と同じ結果を与えることを学ぶ。
5. スピングラス
スピングラスと呼ばれるランダム磁性体について学ぶ。またスピングラスが、他分野の様々な問題と密接に関連していることを学ぶ。
6. レプリカ法の基礎
サンプル平均の概念を学び、分配関数のサンプル平均の計算にレプリカ法が必要であることを学ぶ。
7. スピングラスの無限レンジモデルにおけるレプリカ計算①
スピングラスの無限レンジモデルにおけるレプリカ計算を行う。この講義ではサンプル平均の計算と、有効ハミルトニアンの導出までを行う。
8. スピングラスの無限レンジモデルにおけるレプリカ計算②
前講義の計算の続きを行う。今回はレプリカ対称性を仮定し、鞍点評価を行うことで、分配関数のサンプル平均を計算する。
9. スピングラスの無限レンジモデルにおけるレプリカ計算③
レプリカ対称性の仮定の適用限界について学ぶ。また、レプリカ非対称解の概要についても学ぶ。
10.ベイズの定理
統計力学と情報統計力学の橋渡しの役割を果たす、ベイズの定理について学ぶ。
11.レプリカ法の適用例①:誤り訂正符号問題
レプリカ法が誤り訂正符号の問題に、どのように適用されるかについて学ぶ。
12.レプリカ法の適用例②:画像修復問題
レプリカ法が画像修復の問題に、どのように適用されるかについて学ぶ。
13.マルコフ連鎖モンテカルロ法
マルコフ連鎖モンテカルロ法の概要を学ぶ。また、この手法と情報科学の関連について学ぶ。
14.メトロポリス法とシミュレーテッド・アニーリング法
マルコフ連鎖モンテカルロ法の一種であるメトロポリス法とシミュレーテッド・アニーリング法について学ぶ。

尚、進捗状況により内容は前後する場合がある。
 
授業運営 Course Management
講義は基本的にパワーポイントを用いて行うが、適宜板書も行う。パワーポイントの資料は全てドットキャンパスにアップロードするので、講義前に予め読んでおくこと。また、講義内容の理解を深めるため、講義時間内の演習と講義時間外の小課題も適宜課す。
 
評価方法 Evaluation Method
講義中の演習課題、講義時間外の小課題、および最終講義で課すレポート課題で評価する。ただし、4回以上欠席した学生は評価の対象としない。


 
オフィスアワー Office Hour (s)
月曜日の5限に教員室(5-323C室)で対応する。講義後、予約を取ること。
 

参考書 Book (s) for Reference
西森秀稔[岩波書店(スピングラス理論と情報統計力学)]2016

 
 
 
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