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 授業科目
 Course Title
光化学特論
Photochemistry
 担当者
 Instructor
講師   櫻井 忠光  後学期 木曜日2時限
 単 位
 Credit
2

関連するディプロマポリシー Related Diploma Policy
時代の課題と社会の要請に応えた専門的知識と技能/Expert knowledge and skills to address the issues of the age and the demands of society
 
到達目標 Target to be Reached
光化学に関する専門知識を光が関与する様々な問題の解決に応用できる能力を身に付けることが本特論の到達目標です。
 
授業内容 Course Content
植物の光合成に代表されるように,自然は長い年月をかけて光エネルギーを極めて高い効率と選択性で物質(分子)変換に利用するシステムを構築しました。このシステムが存続しなければ,我々人類を取り巻く自然環境は最悪の事態を迎えると言っても過言ではないでしょう。したがって,自然環境と調和しながら社会が発展していく上で,植物の光合成を手本とした光化学の果たす役割はますます大きくなるであろうと予想されます。
 光化学は分子の光吸収で誘起される物理・化学現象を扱う学問として定義することができます。光化学反応は通常の熱反応と大きく異なる様相を呈するために,熱反応では認められない現象が光化学反応において観測されることが多々あります。その意味で光化学は新しい学問領域であると言えます。本特論では,最初に有機分子の光吸収過程と発光過程に関する基礎知識について説明し,次に有機分子間のエネルギー移動過程および励起状態における構造と反応性の解析方法について述べます。最後に,近年注目されている光誘起電子移動増感反応の機構とその応用展開について概説します。
 
授業計画 Course Planning
本特論では,以下の授業計画に従って授業を進めていきます。
1. 電子スペクトルと電子遷移の選択則
2. 電子スペクトルの強度
3. フランク・コンドンの原理と代表的な有機分子の電子遷移
4. けい光・りん光の寿命と量子収率
5. 定常状態近似
6. 発光消光に対するシュテルン・ボルマーの式
7. 光誘起エネルギー移動に起因する分子間相互作用
8. 励起錯体の形成に起因する分子間相互作用
9. 光誘起電子移動に起因する分子間相互作用
10.光化学反応の重要な中間体
11.励起状態の酸化還元電位
12.光誘起電子移動に対するギブスエネルギー変化
13.光誘起電子移動を経由する増感反応
14.総括と試験

 予習としては,前回の講義内容で充分に理解できなった事項について調べ直し,その完璧な理解を心掛けることが求められます。また,復習として,学部で学習した無機化学,物理化学,有機化学,量子化学,分子分光学等の光化学に関連する重要事項について理解が深められるよう心掛けて下さい。試験問題の解説については試験実施日の翌週の授業時間帯に行い,併せて,成績評価の問合せにも応じます。

 
授業運営 Course Management
教科書は使用せず,授業計画に従ってプリントと板書により講義を進めていきます。板書した内容の理解度を評価する目的で,講義中適宜質問します。
 光化学反応の概念と機構を理解するには,無機化学,物理化学,有機化学,量子化学,分子分光学等に関する総合的な知識が必要になります。したがって,学部の授業のみでは光化学反応論を十分に理解することは難しいので,できるだけ具体的な反応例を用いて光化学反応の概念と機構について説明します。

 
評価方法 Evaluation Method
講義中の質問に対する回答の内容および講義最終日に実施する試験の結果に基づいて総合的に評価します。
 
オフィスアワー Office Hour (s)
質問には講義中あるいは講義終了後に対応します。
 

参考書 Book (s) for Reference
杉森 彰『有機光化学』[裳華房]1991
徳丸克己『有機光化学反応論』[東京化学同人]1990
G. J. Kavarnos(小林 宏 編訳)『光電子移動』[丸善]1997

 
 
 
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