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 授業科目
 Course Title
公共の新しいかたちをもとめて
- 主として法解釈学的観点からのアプローチ -
Reorganizing the Public and the Private - State,Market,Family and Civil Society 
 担当者
 Instructor
准教授 諸坂 佐利  前学期 木曜日2時限
  後学期 木曜日2時限
 単 位
 Credit
2

関連するディプロマポリシー Related Diploma Policy
自立した良識ある市民としての判断力と実践力/Judgment and practical ability as an independent citizen of sound sense
時代の課題と社会の要請に応えた専門的知識と技能/Expert knowledge and skills to address the issues of the age and the demands of society
 
到達目標 Target to be Reached
本講義の到達目標は、受講生が①私たちが取り巻く生活環境には「私(法)」的な世界と「公(法)」的な世界とが混在していることをまずは把握し、②それを踏まえて「私(法)」制度と「公(法)」制度の歴史的展開を学習する。③②に対する学習では、わが国の状況にテーマを限定することなく、英米独仏などの西欧諸国の歴史的状況も概観しつつ習得する。④そしてそれら歴史的展開を踏まえて、21世紀のわが国の現代的課題を考究し、受講者に、まさに今生きている国家・社会がどのように動きつつあるかを体得してもらう。⑤これらの講義を受けることにより、受講者が「教養ある市民」として生きていく力を少しでも得られるようしていきたいと考える。
 
授業内容 Course Content
私たちを取り巻く生活環境は、完全に私的(プライベート)な世界と社会や国家とのつながり抜きに考えられない公的な世界とが混在して成立しています。このような「私」の世界と「公」の世界が、わが国に限らず世界では、そして21世紀に限らず歴史的には、どういった状況で、どう変化、変遷をたどって、いまの状況に至っているのか。そのようなことを学習するのがこの講義の内容となります。
 
授業計画 Course Planning
各回の講義内容は、一応次のように予定しているが、時間の関係で若干前後することが考えられますので、ご留意を。
講義に際しては、講義時に指示したテキストの当該箇所を読んで講義に望むことを前提とするので、各回の講義、テーマに沿ったテキスト、資料等の当該箇所を予習として読んでくること、また講義後には、復習として、講義で行った箇所のテキスト等を再読すると共に、ノート整理を怠らないことを付言する。
(1)ガイダンス―本講義の目的と内容(全体像)の把握
 この講義は、法学部生に限らず、かつ1年生が主たる対象ということもあるので、この講義がどういったことを学ぶのか、学習上のポイントなど、わかりやすくガイダンスしたい。【予習】「公共」「新しい公共」という言葉から連想される、あるいはネット上で登場する言葉を下調べし、講義についてのイメージを立てておくこと。
(2)国家と社会が未分化であった時代の市民生活①―重層的な権力社会という時代
 こんにち、私たちを取り巻く生活環境においては、およそ国家的問題と社会的問題とは明確な区別が存在するが、実はそのような区別が生まれたのは17世紀ころのことといわれる。この講義は、国家と社会が未分化であった時代の市民生活がどのようなものであったかを概観する。【予習】あらかじめ配布している資料を読解し、そこにある専門用語で自身が分からない言葉は、可能な限り下調べしておくこと。
(3)国家と社会が未分化であった時代の市民生活②―教会検閲と芸術文化(「キス」と「自殺」がタブー!?)
 私たちを支配する「権力」といったものは、今日とは異なり、国家権力以外にもキリスト教などの教会権力といったものが存在した。この教会権力が市民生活にどう介入していたかという事柄をオペラや映画などを見ていただきながらわかりやすく解説したい。【予習】あらかじめ配布している資料を読解し、そこにある専門用語で自身が分からない言葉は、可能な限り下調べしておくこと。
(4)国家と社会が未分化であった時代の市民生活③―女人禁制の教会におけるカストラートの悲劇
 この回は、前回の続きで、表記の問題について映像資料を見ながら解説を加える。【予習】あらかじめ配布している資料を読解し、そこにある専門用語で自身が分からない言葉は、可能な限り下調べしておくこと。
(5)国家と社会が未分化であった時代の市民生活④―宗教裁判とジャンヌ・ダルクという名の魔女
 この回は、第3回のテーマと深い関係があるが、表記の問題について映像資料を見ながら解説を加える。【予習】あらかじめ配布している資料を読解し、そこにある専門用語で自身が分からない言葉は、可能な限り下調べしておくこと。
(6)国家(公法)と社会(私法)の分化と近代市民革命
 近代市民革命以降、国家と社会は明確に分化し始めるが、それがどういったものかを概説する。【予習】あらかじめ配布している資料を読解し、そこにある専門用語で自身が分からない言葉は、可能な限り下調べしておくこと。
(7)「公法」体系と「私法」体系概論
 いわゆる法体系とは、表題のような分類が一般的であるが、それぞれの体系の特質はどういったものか考察する。
(8)「公権」と「私権」概論
 この回は、前回の続きで、権利といった観点から「公」と「私」を考察する。
(9)権力を用いる行政と権力を用いない行政―19世紀の郵便配達は権力行政?
 この回は、第7回の続きで、行政(公共サービス)といった観点から「公」と「私」を考察する。
(10)20世紀から21世紀にかけて「公」と「私」は、どう変革してきたか?
 21世紀にはいり、「公」と「私」の境界線は変更、あるいは流動的となってきている。それはどういったことを意味するのか。何を示しているのか。市民生活にはどう変革をもたらすのか。そのあたりを概観する。
(11)21世紀の行政スタイル①―新公共管理と「新しい公共」
 この回は、新公共管理と「新しい公共」の特色と相違点について考察する。【予習】あらかじめ配布している資料を読解し、そこにある専門用語で自身が分からない言葉は、可能な限り下調べしておくこと。
(12)21世紀の行政スタイル②―民事不介入原則の修正として「川崎市人権オンブズパーソン」
 この回は、今日、民事不介入の原則は、修正されつつある。これは私たちの生活に大いなる影響を及ぼすのであるが、そういった現代的状況と、紛争解決手段のひとつである「川崎市人権オンブズパーソン」とはどういった関係性があるか、そのあたりを中心に考察する。【予習】あらかじめ配布している資料を読解し、そこにある専門用語で自身が分からない言葉は、可能な限り下調べしておくこと。
(13)国家のゆらぎたる「公私協働」のゆらぎ①―民営化が「天下り」の温床?
 この回は、昨今、いろいろな方面で行われる民営化事業について、その課題と展望を、いくつかの事例をあげながら解説を加える。【予習】あらかじめ配布している資料を読解し、そこにある専門用語で自身が分からない言葉は、可能な限り下調べしておくこと。
(14)国家のゆらぎたる「公私協働」のゆらぎ②―世論(国政)誘導をも可能とする「マスコミ」(第4権力)って?
 最終回の講義では、これまでの講義全体を総括しつつ、わが国の今後の公共事業(サービス)のあり方について、そしてその情報を入手する重要なチャンネルであるマスコミのあり方について考察する。【予習】あらかじめ配布している資料を読解し、そこにある専門用語で自身が分からない言葉は、可能な限り下調べしておくこと。
 
授業運営 Course Management
私は、法学部の教員ですが、この講義を聞かれる方は、法学部以外の方もおられるかと思いますので、あまり厳格に難しく講義することは極力避けて、映画や音楽の話などもいれつつ、わかりやすく、面白い、親しみのある講義を目指そうと思っています。でも、だからと言って、居眠り、おしゃべり、遅刻、早退、途中入退席、講義への無気力(そう思われる態度も含む)、携帯(スマホ)の操作などは、手厳しく注意、叱責します。
 
評価方法 Evaluation Method
定期試験(教科書、参考書、資料、ノート等一切持ち込み不可)を100%の割合で評価しますが、上記にも記したように受講態度を考慮することはあります。出席状況は、評価基準に含めませんが、講義を4回以上欠席した者は、評価の対象としません。
 
オフィスアワー Office Hour (s)
質問や相談などは、授業終了後、その場で適宜受け付けつけます。
 
使用書 Textbook (s)
諸坂佐利『全訂行政法講義ノート』第二版


 
 
 
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