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 授業科目
 Course Title
日本芸能論B
Japanese Performing Arts Theory B
 担当者
 Instructor
教授   深澤 徹  後学期 金曜日2時限
 単 位
 Credit
2

到達目標 Target to be Reached
 本講義の到達目標は、日本の古代・中世の芸能、特に世界無形遺産にも指定されている「能楽」について、受講生が、その基礎的知識を身に付けることにある。講義では、西欧近代リアリズム演劇の影響下に発展した日本の新劇との対比や、近世演劇としての歌舞伎の諸相への影響なども視野に入れつつ、広く世界的視野に立った上で「能楽」の特性について考えることとなろう。
 従って受講生には、
 ①能楽の基本的な歴史について把握すること、
 ②さらにその演能システムの成立の過程や特質について理解したうえ、
 ③それらの知識をもとに、フィールドワークとして、実際に芸能鑑賞を行うことが義務付けられる。
 学科カリキュラム・ポリシーにいう「文化交流において国際社会に通用する素養を総合的に修得する」目的に照らして、受講生は、日本の文化の一端を担う「能楽」について、ひとわたりの説明ができるようになる。
 
授業内容 Course Content
 「日本芸能論A」が主に近代以降の芸能・演劇をあつかうのに対し、「日本芸能論B」では、能楽を中心に、前近代(古代・中世)の芸能の諸相をあつかう。その際の着眼点として、①芸能の持つ「総合芸術」としての性格、②「悲劇VS喜劇」の相互補完性、③演じられたその都度の一回性・現場性という三つの点を挙げておきたい。
 ①中世芸能の代表的な演目に「能楽」がある。能楽は「総合芸術」とされるが、その意味するところは、それまでの日本の過去の文化的、芸術的営みの「すべて」がそこへと集約され、コンパクトに凝縮されたエッセンスになっているということである。当該文化の便利な「のぞき窓(インデックス)」のような役割を果たしているその「総合芸術/のぞき窓」としての性格について、具体的な演目を紹介しながら考えていきたい。
 ②.能楽」は、悲劇としての能と、喜劇としての狂言との、二つの要素からなりたっている。これについては、ギリシャ悲劇をあつかったアリストテレスの『詩学』や、その影響下に成立した西欧近代リアリズム演劇との比較を通して、さらには能の源流とされる「猿楽」の発生を考える際に欠かせない藤原明衡(ふじわらあきひら)の『新猿楽記』のテキストなどをあつかうことで、その「悲・喜劇」両面の相互補完的な性格を考えていきたい。
 ③芸能の持つ一回性・現場性について理解してもらうため、受講に際しては、あらかじめ二つのモチベーションを喚起しておきたい。一つ目は、現代的な演目(ミュージカルや西洋演劇、寄席演芸や大衆演劇など)との比較。もう一つは、学んだことを机上の空論に終わらせないため、能狂言の演目を実地に見分し鑑賞してくること。その両者相俟って、最終的なレポート題目となるはずである。
 
授業計画 Course Planning
 各回の講義内容は、以下のように予定されている。受講生は、
 予習として、①テキストの指定ページや、事前に配布された資料プリントをあらかじめ読了しておくことが求められる。なお、②資料プリントは古文の場合が多いので、わからない語句や読めない文字について、あらかじめ下調べしておくことが必須である。
 復習としては、①テキストの内容や配布プリントの情報と講義内容とを関連付け、まとめる聴講ノートの作成が義務付けられ、②さらにフィールドワークが求められる。

1.イントロダクション-シラバスの記載内容の確認と、使用テキスト「日本芸能史六講」の紹介
2.フィールドワークについての心構えとその趣旨説明
3.新劇というジャンルの発生とその歴史的展開
4.西洋演劇史の概観
5.能楽の独自性とその歴史的展開

6.日本芸能史の跡付け(その神話的起源)
7.日本芸能史の跡付け(その文献資料)
8.能楽の演目の多様性と、その地理的空間の広がりについて学ぶ
9.能楽の構造(前場・後場)と役割分担(シテ・ワキ・アイ)について学ぶ
10.狂言『釣狐』と能楽「殺生石」の関係について学ぶ

11.『翁』の演目の構造を学ぶ
12.プレゼン1(修羅能「実盛」)
13.プレゼン2(鬘物「井筒」)
14.プレゼン3(鬼能「道成寺」)
15.まとめ
 
授業運営 Course Management
 資料として紹介する古典テキストは、その都度現代語に訳し、意味を説明した上で講義を進めていく。したがって、高校の古文の基礎的知識があれば対応できる内容である。
 なお受講者には、様々な演劇シーンの違いを理解するため、課外授業としてのフィールドワークが幾度か義務付けられている。
 
評価方法 Evaluation Method
 講義内容を踏まえたうえで、課外授業としてフィールドワークを行うが、その参加姿勢の積極性を評価する(40%)。さらにそれらのフィールドワークを踏まえたレポートを提出してもらうが、その実践的行為と、教場での講義内容とを、筋道立てて論理的に関連付けることができているかを評価(60%)の最大の指標とする。
 なお、正当な理由なく3分の1以上(5回)欠席した場合は、評価の対象としない。
 
オフィスアワー Office Hour (s)
 火曜日2限・金曜日5限の時間帯に、17号館430研究室(内線4318)にて受け付ける。
 
使用書 Textbook (s)
折口信夫『日本芸能史六講』[講談社学術文庫]1991

参考書 Book (s) for Reference
三島由紀夫『近代能楽集』[新潮文庫]
服部幸雄『大いなる小屋』[講談社学術文庫]
 

 
 
 
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