[前へ戻る]
   

 授業科目
 Course Title
中国文学概説B
Outline of Chinese Literature B
 担当者
 Instructor
教授   鈴木 陽一  後学期 金曜日2時限
 単 位
 Credit
2

到達目標 Target to be Reached
ある時代の価値観、道徳、美意識など人間の精神的な営みを元にして形作られたものを我々は文化と呼ぶ。従って、その時代の文化を知れば、その時代の人々の精神の有り様を掴むことができる。しかも、文化はその表面的な部分の変化の激しさとは異なり、長期にわたって、その核は変化することがない。ここに、我々が文化史、およびその一部である文学史を学ぶ最も重要な意味がある。
 しかも、中国の明清時代(日本でいえば室町~江戸時代)の文化は、おそらく現代の中国にそして実は日本にも直接つながるものであり、この時代の文化を知る事には重要な意義がある。この時代の文学及びその背後にある文化の流れを掴み、そこから現代中国を理解する一つの手がかりを得ることがこの授業の目標である。

 
授業内容 Course Content
この授業では、中国の大きな社会変化のきっかけとなった、宋代以後の官僚制度の発達と、印刷文化の誕生、そしてそこから始まった文化の広がりは、この時期の海のシルクロードを通しての国際交流、そして周辺諸民族との衝突、或いは交流と相俟って、文字で記される文学を軸として、文化の在り方を大きく変えることとなった。その文化の変容について以下のポイントに絞って話しを進める。
①宋代以後市民に広がった文学は合理的な解釈を要求し始めた社会の中でどのように変わったか。
②宋元の時代に民族間の交流と衝突によって何が新たに生まれたか。
③元代以後、人々は物語の内容と共に、物語の語り方に強い関心を寄せ始めるが、それはどのような方向へ進んでいったのか。
④明代、或いは清代に物語の変化と社会の変化とはどのように結び付いていたのか。また新たな物語の出現によって何が生まれ、何が変わり、そして何が残ったのか。
⑤アヘン戦争以後西洋と向き合うこととなった中国に於いて、宋代以来の文化はどのような変化を見せたのか。
 
授業計画 Course Planning
第一週:ガイダンス、なぜ私たちは文化を、文学を学ぶのか
第二週:宋代の科挙と印刷技術の発達
第三週:物語の百科事典『太平廣記』から見える宋代の人々の考え
第四週:北方、西方民族のもたらした芝居と言語の変化
第五週:北宋から南宋にかけて生まれた、新たな都市文化としての芸能
第六週:都市芸能から文字をもった物語へ 『三國志』、『水滸伝』、『西遊記』の変貌
第七週:小説と物語文学の分岐点 白話という新たな武器
第八週:小説と語りものの分岐点 裁判物語を読む
第九週:小説の文体で語られた長篇小説『金瓶梅』を読む
第十週:小説の文体で語られた物語短編小説集「「三言」を読む①
第十一週:小説の文体で語られた物語短編小説集「「三言」を読む②
第十二週:現代漢語のお手本『児女英雄傳』を読む
第十三週:伝統的物語と翻訳文学との葛藤
第十四週:西洋近代と欧化日本と伝統文化の狭間で魯迅は何を考えたか
第十五週:まとめと筆記試験

 
授業運営 Course Management
基本的には講義の形式で授業を進める。この授業ではまず教員の話をしっかりと聞き取り、ノートに書き取り、内容を理解することが求められる。
 十分に理解できているか、真剣に授業に取り組んでいるのかを確認するため、授業終了時、もしくは次回の授業時に、簡単な授業概要と感想を書いて提出してもらう。
 4回のレポートを求めるが、これについては、必ず関係する資料、図書を読んで書かねばならない。なお、そのうち優れたものについては、授業時に口頭での報告を依頼し、加点の対象とする。

 
評価方法 Evaluation Method
レポート(40%、優れたものには加点あり)、筆記試験(60%)
 出席となっていても、感想を提出しなかったり、不真面目に書いているものは、出席と見なさない。これを繰り返す場合には減点の対象とする。
 筆記試験については、暗記ではなく、理解しているか否かを確かめるものである。このため、持ち込みは許可するものの、容易に答えられるような問いではないので、授業の際、しっかりと聴き、ノートに書き取り、分からないことは質問することが合格への近道である。

 
オフィスアワー Office Hour (s)
授業時及びその前後
 
使用書 Textbook (s)
プリントを使用
参考書 Book (s) for Reference
授業中に指示
 
 
 
[前へ戻る]