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 授業科目
 Course Title
アジア経済論
Asian Economy 
 担当者
 Instructor
講師   内橋 賢悟  後学期 木曜日4時限/木曜日5時限
 単 位
 Credit
2

到達目標 Target to be Reached
 21世紀の現在、各国間で資本主義の制度的多様性が大きな問題となっており、アジア型経済システムを深く理解するためには、歴史的側面や政策的側面にとどまらず、経済システムの理論的分析に関する学習が必要となっている。
そのためアジア経済論Ⅱを通じて、➀ 制度分析と国際マクロ動学分析に関する現代経済学の諸理論の基礎となる考え方を習得する。② アジア型国際市場と制度の分析に基づいて現代経済システムのマクロ動態と構造変化を理解する。③ 現代におけるアジアを含む多国間における資本主義の制度的多様性と進化を解明するための基礎的視点を獲得する。
 
授業内容 Course Content
 現代におけるアジア型経済システムの構造と動態を、「社会経済システムの制度分析」という幅広い政治経済的観点から説明する。また現代のアジア型経済システムにおいて、とりわけ、現代の資本主義の基本的な構造はどのようなものなのか。それは今後、どのような方向へと変化を遂げていくのかを、なるべく理論的アプローチの手法を通じて理解することを目指したい。
 
授業計画 Course Planning
第1回 アジア型経済システムの制度分析(旧制度学派、新制度学派、比較制度分析、レギュラシオン理論とSSA理論、ポスト・マルクス派経済学、ポスト・ケインズ派経済学、現代制度派経済学など)
第2回 アジア型資本主義の多様性(社会経済システムと資本主義の基本構造、アジア型国際市場システムの分散性・排除性・重層性など)
第3回 アジア型経済制度システムの発展と展開、その特異性(アジアにおけるケインズ型の有効需要政策の展開と挫折)
第4回 アジア型国際市場システムにおける多段階的数量調整と多段階的雇用調整の動向(在庫調の展開整-稼働率調整-資本ストック調整、多段階的雇用調整に基づく    労働時間調整―非正規労働者の契約不更新―採用抑制・自然減―出向・転籍―解雇など)
第5回 アジアにおける資本循環と国際金融システムの展開(アジアにおけるケインズ型
の流動性選好論、或いは新古典派型の中立的貨幣命題の展開)
第6回 アジア型国際金融システムの多様性と金融不安定性の展開(利子率の階層構造:短期利子率と長期利子率、H.ミンスキーの「金融不安定性」仮説などの展開)
第7回 アジアにおけるグローバル企業組織と「賃労働関係」の展開(企業論、雇用とコ
ーポレ-ト・ガバナンスなどの展開、新古典派経済学:「点」としての企業、組織の経済学:契約論的アプローチ、進化経済学:能力論的アプローチ)
第8回 グローバル経済におけるアジア型資本蓄積の理論‐Ⅰ(ケインズ『一般理論』によるアジア経済への理論的応用、『一般理論』の短期理論・集計理論、古典派経済学における公準の分析)
第9回 グローバル経済におけるアジア型資本蓄積の理論‐Ⅱ(カレツキ景気循環理論、ハロッド成長理論に基づく保証成長率、不安定性原理、ハロッド成長理論と新古典派型ソロー成長モデルとの比較)
第10回 韓国型資本蓄積の構造変化と経済の「グローバリゼーション」(脱工業化政策の展開とレギュラシオン学派の「制度階層論」に基づく理論的アプローチ、生産組織と労働市場のフレキシビリティ、 労働市場のフレキシビリティと雇用形態,フレキシキュリティの試みなど)
第11回 グローバル経済下における韓国型成長モデルの解明(マルクス型の労働価値説に基づく剰余アプローチと限界生産力説、レオンチェフ型の産業連関分析と剰余生産物、国際経済システムの再生産と中間投入など)
第12回 韓国型技術パラダイムの展開と企業組織(生産組織と労働市場:技術パラダイムの転換―IT革命の影響、IT革命と労働過程・労働市場、 IT革命と企業組織など、)
第13回 国際経済学にみる韓国型成長モデルの特異性‐Ⅰ(新古典派型成長モデル・ケインズ型成長モデルなど開放体系下の成長パターンに関する理論的アプローチの展開、内需(賃金)主導型成長の困難性,生産の国際的依存性の上昇など)
第14回 国際経済学にみる韓国型成長モデルの特異性-Ⅱ( 現代資本主義の多様性:金融システムと雇用システムの制度的補完性、急速に進む金融システムの変化と雇用システムの制度的慣性)
第15回 国際経済学にみる韓国型成長モデルの特異性‐Ⅲ(「制度階層性」論に基づく韓国型資本蓄積の構造変化、韓国市場にみるカオス的経済変動の発生、複雑適応系と力学系の応用、進行する「グローバリゼーション」の将来など)
 
授業運営 Course Management
 講義は板書による手法が主流を占めることになるが、他に討論もしくは議論のために必要な時間を設定する予定である。講義終了後。講義内容に関する質問を受け付けます。質問回答は成績の加点要素になるが、質問内容が優れている学生の場合はその限りではない。
 
評価方法 Evaluation Method
1.期末試験の点数により成績を評価する。自筆ノートのみ持ち込み可。
2.4回以上欠席した場合は評価の対象としない。
 
オフィスアワー Office Hour (s)
 講義終了後、講師控室で質問を受け付けます。
 
使用書 Textbook (s)
使用書を用いる必要はありません。
参考書 Book (s) for Reference
植村博恭・磯谷明徳・海老塚 明 著『新版 社会経済システムの制度分析‐マルクスとケインズを超えて』[名古屋大学出版会]2007年

 
 
 
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