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 授業科目
 Course Title
国際日本文化特殊講義B2
 
 担当者
 Instructor
教授   深澤 徹  後学期 火曜日4時限/火曜日6時限
 単 位
 Credit
2

到達目標 Target to be Reached
 本講義の到達目標は、受講生が「歴史叙述」についての認識を深めることにある。具体的には、六国史に始まる日本の「歴史叙述」の変遷過程の中に、慈円『愚管抄』を位置づけ、その特質について理解することである。
 受講生は、『愚管抄』の原文に直に接し、その独特な文体を通して、六国史や歴史物語に対抗して新たに始まった、日本における「史論」の展開について理解を深めることができよう。
 
授業内容 Course Content
 使用書(テキスト)を手引としつつ、鎌倉初期成立の『愚管抄』を「原文」で読む。
 『愚管抄』は、「歴史とはなにか」という根源的な問いを、日本において最初に問いかけた歴史哲学書として評価が高い。著者は天台座主の慈円とされる。講義では、それが書かれた歴史的背景や、その特異な叙述内容を理解し、「かな文」を通して日本に独自の歴史意識が形成されてくる過程を跡付ける。受講生には演習課題として、いくつかのテーマ設定のもと、複数回のプレゼンを課す。
 
授業計画 Course Planning
 各回の演習内容は、一応次のように予定されているが、本授業は演習形式を取るため、これはあくまで目安であることを申し添えておく。受講生は割り当てられたテーマや分担箇所について事前に十分下調べし、配布レジュメやパワーポイントを準備して演習に臨むことが、予習作業として求められる。さらに事後には、質疑応答を踏まえたレポートの提出が復習作業として義務付けられている。
1.イントロダクション―シラバスの記載内容についての確認と、使用書(テキスト)の概要について学ぶ
2.著者慈円とその時代(院政期について学ぶ)
3.著者慈円とその時代(源平の騒乱から鎌倉幕府草創へかけての歴史を学ぶ)
4.著者慈円とその時代(近衛家と九条家の対立について学ぶ)
5.偽装の言説(偽書・落書・未来記について学ぶ)
6.偽装の言説(中国の歴史書と、日本の国史と、そして偽史について学ぶ)
7.偽装の言説(日中比較・歴史叙述の担い手はだれかについて学ぶ)
8.愚管抄を原文で読むⅠ―その「カナ」書きの意図について学ぶ
9.愚管抄を原文で読むⅡ―その「道理史観」について学ぶ
10.愚管抄を原文で読むⅢ―その「承久の乱」との関係性について学ぶ
11.愚管抄を原文で読むⅣ―その「謀反」の書としての性格について学ぶ
12.愚管抄を原文で読むⅤ―その「武士」イメージについて学ぶ
13.愚管抄を原文で読むⅥ―その「未来記/偽書」としての性格について学ぶ
14.愚管抄を原文で読むⅦ―その「御成敗式目」との関連性について学ぶ
15.まとめ
 
授業運営 Course Management
 前半は使用書(テキスト)を用いての講義形式、後半は演習形式で授業を進める。岩波文庫か岩波大系本の『愚管抄』テキストは、各人で購入(古書店で入手可能)してもらう。下記「使用書」の各章段を読み、それを『愚管抄』の該当本文とつき合わせながら、解説していく形で進める。
 
評価方法 Evaluation Method
 各人に課せられたプレゼン内容の充実度(40%)、およびそれをまとめたレポートの完成度(60%)によって評価する。なおプレゼンは複数回に及ぶ事を申し添えておく。
 
オフィスアワー Office Hour (s)
 月曜日3限・金曜日3限の時間帯に、17号館430研究室(内線4318)にて受け付ける。
 
使用書 Textbook (s)
深沢徹『往きて、還る。』[現代思潮新社]2011

参考書 Book (s) for Reference
深沢徹『「愚管抄」の<ウソ>と<マコト>―歴史語りの自己言及性を超え出て』[森話社]2006
大隅和雄『愚管抄を読む』[講談社学術文庫]1996

 
 
 
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