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 授業科目
 Course Title
マクロ経済学特講
 
 担当者
 Instructor
教授   玉井 義浩  後学期 火曜日5時限
 単 位
 Credit
2

到達目標 Target to be Reached
 近年の動学的/ミクロ経済学的精緻化を志向したマクロ経済学について、その経済学的なエッセンスを学ぶだけでなく、この分野でのオリジナルの修士論文を書くための数学スキルを身に付けることを到達目標とする。
 
授業内容 Course Content
 前期の特講1に続く形で、ケインズ理論の根拠付けに関する研究を取り上げるが、特に特講2では動学的視点によるケインズ理論の根拠付けに関連する事項を含め、動学理論を中心に取り上げる。

 経済動学、とは、貯蓄・投資・経済成長・財政の維持可能性など、「現在と未来との間の相互関係」が関わる経済問題を分析する学問である。通常は,動学とは経済の長期的な動向を捉えるための理論、と受け取られがちであるが、短期的な景気変動の理解にも動学に関する理解は不可欠である。特に有効需要の原理に立脚したケインズ理論はセイの法則の不成立を前提とし、貨幣の資産需要(流動性選好)を鍵とするが、これらの事項は必然的に、所得の稼得と支出のタイミングのずれという、現実社会の動学的現象に関わる。しかも、90年代の日本のポスト・バブル期の経験、00年代末のリーマンショック後の世界経済の経験は、人口動態の動学的動きが貨幣を含めた資産の価値に大きく影響していることを示唆している。以上が示すとおり、近年の現実の世界経済の政策的課題をケインズ理論の問題意識に立脚して根源的に理解するためには、動学的視点は欠かせない。

 本科目では、近年の動学的/ミクロ経済学的精緻化を志向したマクロ経済学について、主に経済成長・貨幣・貯蓄と消費の選択・家計の動学的な労働供給に関する意思決定等についてのトピックスを中心に学ぶ。
 
授業計画 Course Planning
 授業全15回の内容は以下を予定しているが、進捗の関係で若干前後する可能性がある。また、予習として下記使用書のどの部分を読むべきかは、授業内で随時伝達する(初回は教材プリント(レジュメ)を配布する)。

 授業前半では、動学問題のうち、因果関係を捉えやすい,離散時間モデルで議論出来るトピックスを講義する。
後半で、議論を連続時間に拡張した場合について取り上げる。

1. 動学問題の基本的考え方(1) (変分法)
2. 動学問題の基本的考え方(2) (最大値原理)
3. 動学問題の基本的考え方(3) (動的計画法)
4. ケインズ経済学への動学的アプローチ (1) 消費関数
5. ケインズ経済学への動学的アプローチ (2) 独占的競争と総需要外部性
6. ケインズ経済学への動学的アプローチ (3) 世代重複と貨幣の非中立性
7. ケインズ経済学への動学的アプローチ (4) 動学的45度線モデル
8. ケインズ経済学への動学的アプローチ (5) フィリップス曲線
9. 人口動態と世代重複モデル
10. 課税をめぐる動学的論点
11. 財政の維持可能性
12. 離散時間から連続時間へ
13. 経済成長理論 (1) ソローモデルと動学的効率性
14. 経済成長理論 (2) 最適成長モデル
15. 経済成長理論 (3) 内生成長モデル
 
授業運営 Course Management
 上記授業計画の内容に該当する下記使用書・参考書の箇所を輪読するほか、授業回によっては該当内容についての代表的な論文を、受講者全員で読み、授業担当者と討論する。この科目はその性質から、理論を積み上げる全プロセスを各受講者が理解することが必要であり、したがって受講者全員が討論に参加することを求められる。
 
評価方法 Evaluation Method
 期末のレポート課題による。
 
オフィスアワー Office Hour (s)
 火曜 10:30-13:00 1号館7階 玉井研究室
 

参考書 Book (s) for Reference
Olivier J. Blanchard, and Stanley Fischer,Lectures on Macroeconomics,The MIT Press,1989
高木貞治『定本 解析概論』[岩波書店]2010年

 
 
 
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