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 授業科目
 Course Title
統計解析特論
Statistical Analysis
 担当者
 Instructor
教授   吉田 稔  後学期 金曜日3時限
 単 位
 Credit
2

到達目標 Target to be Reached
 本講義の到達目標は、受講生が①離散時間マルコフ過程の最適化の基本事項を理解すること、②ブラウン運動を用いて表される連続時間マルコフ過程(拡散過程)の最適制御の基本事項を理解すること、③上記①、②の理論を具体的にコンピュータシミュレーションにより実行する能力を蓄えることである。
 
授業内容 Course Content
 自然・社会の事柄は偶然で不規則に出現している。混沌と秩序の織り成す自然と社会において、現象は常に何らかのノイズを含んで観察される。これらは、一般に確率過程で表現され、その中で数学的な取扱いが最も明瞭なものは、マルコフ過程である。現実の場面で、これらのマルコフ過程としてモデル化される現象を可能な人為的操作により最適化したいことが多々ある。本講では、その最適化(確率過程の最適制御)の基本を講義し、あわせて、そのコンピュータによるシミュレーションの手法についても説明する。
 本講義に先立ち、或いは、あわせて「統計数学特論」の受講が望まれる。

 
授業計画 Course Planning
 確率統計と微分積分を理解して、教科書を読んだ上で、かつ研究目的を見据えて出席していることを前提に講義する。したがって、①予習として、各回に関連する章節の該当項目を自らの研究内容と研究手法に関連させて解釈してくること、②復習として、累積継続して出現する解析の数理事項を自分なりに検証する習慣をもつこと、の2点が不可欠である。なお、主要内容の節目には、シミュレーション技法によって、モデルの可視化を通した知識の確認に努め、自らの研究テーマの参考にすることが大切である。各回の内容は一応次のように予定しているが、時間の関係で若干前後する場合もある。

1.離散時間マルコフ過程の最適制御
(1)シラバス記載事項の確認と受講者の予備知識の確認
(2)離散時刻マルコフ連鎖
(3)マルコフ行列
(4)離散時刻マルコフ過程の例
(5)離散時刻マルコフ過程の期待値
(6)離散時刻マルコフ過程の有限期間制御
(7)離散時刻マルコフ過程の無限期間制御

2.拡散過程の最適制御
(8)ブラウン運動過程の復習
(9)確率積分の復習
(10)Itoの公式の復習
(11)確率微分方程式の復習
(12)拡散過程の最適制御の定式化
(13)拡散過程の最適制御を与える偏微分方程式の定式化
(14)拡散過程の最適制御を与える偏微分方程式の解法
(15)例題とその具体的解
 
授業運営 Course Management
 講義を主体とするが、講義中に簡単な演習を組み込む。主要内容の節目ごとに演習課題のレポートによって理解力を確認し、シミュレーション課題によって理論と実際の整合性を検証していく。
 現状では、和書で教科書として過不足のないものが無いので、教科書は指定せず、各回にプリントを配布して講義をすすめる。なお、優れた参考書は、下に示す。

 
評価方法 Evaluation Method
 確率モデルを確率制御理論(最適化)を通じて具体的に理解していくことが重要である。この観点から、主要内容の節目ごとに、演習課題のレポ-トとシミュレーション課題の実績によって達成度を確認し(80%)、研究テーマに係わる質疑応答能力と自己研鑽の積み上げによる学習行動(20%)を重視して、成績を総合評価する。

 
オフィスアワー Office Hour (s)
月曜日と金曜日の5限。その他、講義や会議等のないときは常時研究室にて応じる。


 

参考書 Book (s) for Reference
W.H. Fleming, R.W. Rishel,Deterministic and stochastic optimal control,Springer-Verlag,1975
べアント・エクセンダール(谷口説男:訳)『確率微分方程式』[シュプリンガー・フェアラーク東京]1999
S.M. Ross,Applied Probability Models with Optimization Applications,Holden-Day,1970

 
 
 
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