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 授業科目
 Course Title
生物科学特別講義D
Special Topics in Biological Sciences D
 担当者
 Instructor
講師   藤田 知道  前学期 集中
 単 位
 Credit
1

到達目標 Target to be Reached
 本講義の到達目標は、受講生が①乾燥や気温変化、強光など厳しい陸上環境に適応し進化してきた陸上植物の発生・成長とストレスなどの環境応答の分子制御機構の基盤を理解すること、②またそのような分子メカニズムが陸上植物でどの程度多様であるのかを生物の進化的側面を背景として理解できることである。③そしてこのためにモデル植物であるシロイヌナズナやヒメツリガネゴケを中心として、これまでの研究成果や現在進行形の研究成果を学び、④さらに今後の課題についても理解を深めることを目的としている。
 
授業内容 Course Content
講義に必要な内容は、毎回の講義でプリントとして配布する。
ただし、下に挙げる参考文献を予め予習、あるいは復習することが、受講生の理解を深めるためによい。
 
授業計画 Course Planning
 各回の講義内容は次のように予定しているが、時間の関係で若干前後する場合もある。予め授業計画に沿い予習しておくと授業の理解を助けるのに役立つ。そのために植物の発生や環境応答に関わる一般的な教科書や参考書の該当箇所、あるいは下に挙げる参考図書に予めあたっておくとよい。またわからない用語や関連項目も予め自分なりに調べておくことが大事である。
 同様な努力が復習に向けられ、関連事項や興味を覚えた箇所をさらに広く学習することを勧める。それより、より包括的に陸上植物の成長や環境適応のしくみ、またそれらの進化や多様性の理解につながる。

「厳しい陸上環境を生き抜く陸上植物の発生や成長と環境応答のしくみ」を学ぶ。

1)植物とはどのような生き物か
動物との違い、陸上植物の進化、光合成生物、陸上植物の特徴である可塑性、無限成長、カルス再生について。陸上植物の発生の仕方。

2)陸上植物の配偶体形成から受精まで
受精のプロセス(重複受精、花粉管ガイダンスを中心として)、配偶体形成の多様性。

3)栄養期の成長と環境応答
胚発生、分裂組織(メリステム、茎頂分裂組織、根端分裂組織)、幹細胞、シュート、陸上植物の分裂組織の多様性。

4)栄養期の成長と環境応答
植物ホルモン、特にオーキシンの作用機作。WUS-CLVフィードバック系による茎頂分裂組織の幹細胞制御システム。植物の光や重力に応じた屈性反応とオーキシン濃度勾配制御の分子メカニズム。

5)陸上植物の進化
モデルコケ植物、ヒメツリガネゴケの紹介。植物ホルモンの進化。陸上植物のシュートの発生進化(オーキシン輸送担体PINやKNOXホメオボックス遺伝子の制御を中心として)。

6)細胞極性や不等分裂研究への取り組み
モデル植物、シロイヌナズナを中心とした細胞極性や不等分裂研究。シンプルなヒメツリガネゴケに注目した細胞極性や不等分裂研究。

7)環境ストレスと成長、分裂面制御、細胞間コミュニケーション制御のバランス制御
パイオニア極限生物としてのコケ植物。コケ植物のストレス応答と成長制御の生理、分子制御機構の研究。原形質連絡を介した細胞間コミュニケーションの制御の研究。植物の成長と環境応答のクロストークの解明にむけた今後の課題。
 時間が許せば、パイオニア植物としてコケ植物をいかに砂漠などの荒地緑化やテラフォーミング(惑星の環境を改造し地球化すること)に結びつけるかの可能性ついても議論したい。

 
授業運営 Course Management
全て講義形式による。パワーポイントを中心として講義を進めるが、授業時に必要な資料を配布する予定である。
 
評価方法 Evaluation Method
講義中に行う小テストまたはレポート、あるいはこの両方のどれかを基準に評価する。講義を3回以上欠席した者は、評価の対象としない。
 
オフィスアワー Office Hour (s)
質問や指摘があれば電子メールtfujita@sci.hokudai.ac.jpにて随時受け付けます。
 

参考書 Book (s) for Reference
西谷和彦『植物の成長』[裳華房]2011
テイツ、ザイガー『植物生理学』[培風館]2004
ギフォード、フォスター『維管束植物の形態と進化』[文一総合出版]2002

 
 
 
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