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 授業科目
 Course Title
フロンティア軌道特論
Frontier Orbitals and Organic Chemical Reactions
 担当者
 Instructor
教授   横澤 勉  後学期 水曜日2時限
 単 位
 Credit
2

到達目標 Target to be Reached
 本講義の到達目標はHOMOとLUMOを理解し、フロンティア軌道論でないと説明できない反応の予測ができ、およびこれまでのイオン反応やラジカル反応もフロンティア軌道論で説明できるようになることである。
 
授業内容 Course Content
 多くの有機化学の反応はアニオン、カチオン、ラジカル中間体で反応機構を説明できるが、協奏的反応のようにこれらの中間体を経ず、軌道の相互作用によって進行するものがある。これらの反応機構を理解する上でフロンティア軌道法(分子軌道法)を習得する必要がある。さらにはこれまでのイオンやラジカル反応もフロンティア軌道法によって説明できる。
 本講義では数式を使わずにフロンティア軌道法を説明し、これを用いて種々の反応を解説する。
 
 
授業計画 Course Planning
 各回の講義内容は次のように予定しているが、時間の関係で若干前後する場合もある。
 予習として、各回の該当ページをあらかじめ読み、理解できない個所を明確にしておく。
 また、復習としては、自らフロンティア軌道を書き、反応が説明できるようにする。また、問題集等で該当する反応の問題を解答することを勧める。

1.これまでの有機反応論
   誘起効果、共鳴効果、立体効果、Hard-Soft理論
2.フロンティア軌道
   HOMOとLUMOの理解
3.電子環状反応(1)
   ジエン、ブタジエン系
4.電子環状反応(2)
   ヘキサトリエン、オクタテトラエン系
5.電子環状反応(3)
   電子環状反応におけるWoodward-Hoffmann則、反応例
6.付加環化反応(1)
   Diels-Alder反応、[2+2]反応
7.付加環化反応(2)
   他の付加環化反応、イオンの付加環化反応
8.付加環化反応(3)
   [m+n]付加環化反応におけるWoodward-Hoffmann則、HOMOおよびLUMOに及ぼす置換基効果
9.シグマトロピー反応(1)
   シグマトロピー反応のフロンティア軌道の扱い(遊離基軌道)、水素転位
10.シグマトロピー反応(2)
   炭素の転位と立体化学、Cope転位とClaisen転位
11.シグマトロピー反応(3)
   HOMOとLUMOによるフロンティア軌道の扱い
12.イオン反応(1)
   反応によるエネルギー変化(KlopmanとSalemの簡易形式)
13.イオン反応(2)
   Hard-Soft理論のフロンティア軌道法による扱い
14.イオン反応(3)
   他の有機イオン反応への応用(求核置換反応、求電子置換反応、α効果)
15.ラジカル反応
   ラジカル交互共重合のフロンティア軌道法による扱い
 
授業運営 Course Management
 講義計画の順序にほぼ沿って講義を進めていく。少人数のクラスなので一方的な講義だけではなく、質問等受講者にも積極的に授業に参加してもらうつもりである。
 大学院の授業は学生が受身にならず、この授業をきっかけに興味がもてた内容について自ら文献等を基に勉強することが大事である。
 
評価方法 Evaluation Method
 いくつかの反応についてその反応機構をフロンティア軌道論で説明する問題を学期末に課題レポートとして出し、その理解度(60点)と授業中の理解度(40点)によって成績を総合評価する。
 
オフィスアワー Office Hour (s)
 水曜日3時限と4時限に教授室(23-718)にて行う。講義に関する質問等は授業終了後にも受け付ける。
 
使用書 Textbook (s)
I. フレミング『フロンティア軌道法入門』[講談社サイエンティフィック]

参考書 Book (s) for Reference
井本稔、仲谷忠雄『有機反応論上・下』[東京化学同人]

 
 
 
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