[前へ戻る]
   

 授業科目
 Course Title
文化受容論
Cultural Acceptance Theory
 担当者
 Instructor
教授   上原 雅文  後学期 月曜日3時限
 単 位
 Credit
2

到達目標 Target to be Reached
 受講生が、①過去の様々な文化受容のあり方について理解を深めること、②文化受容の困難さを自覚し、真の文化受容のために何が必要なのかを現在の自分自身の問題として考えること。以上の2点である。
 
授業内容 Course Content
 異文化の受容は、まず、その文化の要素が自文化にはなく、魅力的であり、必要であると感じられることから始まる。しかし、性急で表面的な受容は、自文化を変容させることなく、文化の二重性を形成してしまう。そこには、異文化の真の受容はない。異文化が真に受容されるためには、正確な異文化の理解と自文化(伝統)の自覚、そして異文化と自文化との比較や対話が不可欠であろう。
 本授業では、前半に、近世に儒学(朱子学)を受容した日本人の思想的な営みを概説する。後半では、幕末からの西洋文化受容の歴史をたどりつつ、福澤諭吉、夏目漱石、丸山真男などによる議論を手掛かりにして、現在の私たちにとっての異文化の受容、および文化交流について考えてみる。
 
授業計画 Course Planning
 予習として、テキスト(使用書)の該当箇所をあらかじめ読んでくこと。復習としては、テキストと配布プリントを読み直し、学んだ思想についての理解を深めること、を求める。
 
1.ガイダンス、文化とは何か、異文化受容をめぐる諸問題
2.儒学(朱子学)の概要
3.近世の儒学受容1:武士による儒学受容(幕府の政策、山鹿素行の士道論)
4.近世の儒学受容2:伊藤仁斎
5.近世の儒学受容3:荻生徂徠
6.伝統思想の自覚:本居宣長
7.幕末維新の洋学受容:洋学受容の受け皿としての儒学、佐久間象山、西周の翻訳
8.福澤諭吉の文明論1:「文明」とは何か、文明の外形・文明の精神(独立自尊、数理学)
9.福澤諭吉の文明論2:西洋文明の受容の方法について
10.文明受容の形としての国家神道・近代天皇制
11.国家主導の欧化政策に対する批判:キリスト教、平民的欧化主義、国粋主義
12.「個としての自己」(近代的自我)の確立
13.夏目漱石の開化論:「現代日本の開化」、自己本位
14.丸山真男の文化受容論1:日本における文化受容の問題
15.丸山真男の文化受容論2:伝統との対話・対決、国際交流と自己内対話

 
授業運営 Course Management
 テキスト(使用書)を読んでいることを前提に、補足資料やレジュメを配付して授業を進める。
 毎回、リアクションペーパー(A5版)を配付し、それに授業概要と授業についての質問・意見・感想を書いて提出してもらう。
 留学生・日本史未履修者であっても理解可能な難易度で進めるが、毎回のリアクションペーパーの記述を参考にして難易度は調整する。

 
評価方法 Evaluation Method
 リアクションペーパー(10%)、レポート(30%)、定期試験(60%)を、括弧内の割合で総合して評価する。試験は、持ち込み不可の短文記述問題。レポートは、試験期間中を締め切りとして提出してもらう。
 
オフィスアワー Office Hour (s)
◎時間帯:火曜日2時限
◎研究室:17号館422
質問(あるいは議論)など歓迎します。気軽に利用して下さい。

 
使用書 Textbook (s)
佐藤正英『日本倫理思想史 増補改訂版』[東大出版会]2012年

参考書 Book (s) for Reference
参考書は授業時に指示する。
 
 
 
[前へ戻る]