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 授業科目
 Course Title
固体電子特論
Advanced Electron Theory of Solids
 担当者
 Instructor
教授   中田 穣治  後学期 火曜日3時限
 単 位
 Credit
2

到達目標 Target to be Reached
 固体物理学は学部で学んだ量子力学、統計力学をベースに固体あるいは液体(気体)のマクロな各種物性(磁性、誘電特性、電気伝導特性、熱物性等)をミクロな原子レベルの挙動から説明しようとする学問である。
 その中で固体中の電子の働きを量子力学を使って理解する。学部で学んだ物理学実験I, II, IIIの具体的現象を大学院においてミクロの立場から考えられるようにするのが目標である。
 
授業内容 Course Content
 固体物理学の中で特に、電気特性に重点を置き、半導体、絶縁体、金属における電気伝導の性質を系統的にこの視点から解明しようというのが、固体電子論である。半導体のバンド理論は20世紀半ばにおける固体物理学の輝かしい成果であり、点接触トランジスタからプレーナー技術へ、さらにLSI(Large Scale Integration)の発展へとつながっていく。現代の情報化社会の中核となるコンピュータハードウェア技術の基礎となった学問である。情報ソフトを学ぶ人達にとっても、とかくブラックボックス的になりがちなハードウェアの基礎を、固体電子論特論として系統的に学んでおくことは重要である。この講議の最終目標は固体中の電子状態を周期的な境界条件の下で量子力学を使って解き、電子のエネルギーがバンド構造を持つことを理解することである。計算機を駆使して具体的なバンド構造をグラフ化させることも行う。基礎知識として量子力学、統計力学の素養が必要となるが、できるだけ物理的直感を重視した説明を試みるつもりである。この科目の続編として「LSIプロセス・デバイス基礎特論」の講議を受けるとお互いの科目が理解しやすい。また、数学的には微分方程式の解法、行列、代数等が必要で、これに関してはかなり厳密に復習しながら履修する必要がある。
 学部の固体物理学(固体電子論)と重複する内容も一部あるが、大学院生にはさらに高度な内容のレポート提出を求める。
 
授業計画 Course Planning
第1章 金属の自由電子論
1)1.1 導入
2)1.2 Fermi気体
3)1.3 Fermi分布と電子比熱
4)1.4 電子放出
5)1.5 電気伝導
第2章 バンド理論
6)2.1 結晶中の電子の運動
7)2.2 1次元周期ポテンシャル場中の電子状態
8)2.3 (1)Blochの定理
9)    (2)Kronig-Pennyの問題
10)2.4 結晶中の電子の運動方程式
11)(1)結晶中の1次元の電子の運動
12)(2)結晶中の3次元の電子の運動
13)2.5(1)1次元Brillouin域
14)   (2)2次元Brillouin域
15)まとめ
 
授業運営 Course Management
適当なテーマについて何回か課題を出し、レポートを提出させる。
 
評価方法 Evaluation Method
複数のレポートによる。
 
オフィスアワー Office Hour (s)
毎週木・金
 
使用書 Textbook (s)
黒沢達美『物性論 基礎物理学選書9』[裳華房]

参考書 Book (s) for Reference
キッテル著、宇野良清他共訳『固体物理学入門 上、下』[丸善株式会社]
キッテル著、堂山昌男監訳『固体の量子論』[丸善株式会社]

 
 
 
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